板倉てつお 公式ブログ

官軍墓地の現状レポート

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こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。

今回は、3月の議会とは関係がないのですが、官軍墓地についてです。
まずは、なぜ、官軍墓地の記事を書くことになったのかについてから。

 

遺族の方からの連絡 ブログってやっぱすごい

なぜ3月の議会と関係ないのに、官軍墓地のことを書くことになったのかというと、遠方の遺族の方から、「官軍墓地の整備の予算がついたらしいけど、今、どうなったのですか」という問い合わせが、私に直接あったのです。

官軍墓地のことをインターネットで調べていたら、私のブログを見つけたとのこと。

私のブログはほぼ高千穂町民向けの内容なのですが、今回のように意外なところから反応があるのは、ブログならではですね。

 

そもそも誰が管理すべきなのか

官軍墓地は、西南戦争に政府軍として従軍し戦死した人たちのお墓です。
ですので、官軍墓地の土地は、国有地です。

本来なら国が管理するべきところなのでしょうが、現実として、国が管理できていません。

地元の高千穂町としては、国の土地とはいえ、整備しないわけにもいかないのです。
また、昨年は大河ドラマが西郷どんだったこともあり、整備の必要性が高まりました。

そこで、高千穂町が自腹を切って、整備をしました。
国からの経済的な支援があればいいのでずが、全額、町の出費です。

 

通路整備と支障木伐採を実施

平成29年度末、官軍墓地への通路と、周囲の支障木の伐採が行われました。

通路の写真。

 

これが、以前の写真。
以前に比べ、かなり通路はきれいになりましたね。
あと、木もいくつか伐られているようです。

 

一方、墓地の中の現在の様子

墓地の中については、一目でわかるような整備はされていないようです。

 

議論された保全のあり方

教育委員会に問い合わせると、墓地の中の整備について、どのように整備するか、議論があったそうです。

日向市の細島にも官軍墓地があるのですが、そこと同様に墓石をきれいにしたり、周りの草をきれいに整備しようかという意見もあったのだとか。
(※細島の官軍墓地がどのようなものか、「細島 官軍墓地」の検索結果でご確認ください)

そして、西南戦争にゆかりのある他市町村の文化財調査委員会の方も交えて協議を重ねた結果、「現状を保全するほうが、史跡としてふさわしいのではないか」という意見が大半を占め、現状を保全することになったそうです。

理由として大きく2点あり、
・墓石に溶結凝灰岩が使われているのが非常に珍しいこと
・人為的に壊されたであろう墓石は、この土地が西郷びいきだった歴史を伝えていること
とのこと。

 

整備だけでなく、教育も

話が少しそれますが、東日本大震災の時に、過去の大津波の歴史を伝える石碑の存在が、地域住民から忘れ去られていた、ということを思い出しました。

もし、石碑が伝える教訓を、住民が正しく受け継いでいたら、被害を小さくできたかもしれません。

官軍墓地についても保全だけでなく、それが伝える教訓を、正しく現在に伝える教育も大切だなと思いました。

今は平和な日本ですが、今から74年前までは第二次世界大戦が、142年前には最後の国内戦争である西南戦争がありました。

こうした悲劇を二度と起こさないよう、官軍墓地を、現在の平和教育に生かしてほしいと思います。

では、今回はこれで失礼します。

 

 

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コメント

  1. 栗原智昭 より:

    素朴な疑問なのですが、官軍墓地の管理について国側は当事者であることを認識しているのでしょうか?例えば町や県とそのあたりのことを協議したりしたことがあるんでしょうか?

    認識した上で国が放置しているのであれば、町が管理委託を受ける代わりに費用を出してもらう、という手もあるように思いますが。(例えば国立公園の管理業務の一部を地元自治体が代行している例などあります)

    もしそもそも認識がないとか、忘れ去られているのであれば、まずは国に対応を求めるのが筋のように思います。

    1. itakuratetsuo_admin より:

      コメントありがとうございます。
      説明が不足していましたが、国の土地を勝手に管理するわけにもいきませんので、高千穂町が管理するため、国との間で、指定管理契約を結んでいるようです。
      ですので、国もその存在を把握していると思います。
      ただ、国からの予算はないとのこと。
      高千穂町の官軍墓地だけ予算がつかない、ということは考えにくいので、他の自治体も同様ではないかと思います。
      あとは、それぞれの自治体の考え方次第というところになるでしょうか。
      高千穂町としては、本文に書いた通り、現状を保全する方針とのことでした。

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