板倉てつお 公式ブログ

高千穂中学校移転について3つの提言

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
議会だより高千穂No.119より

こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。

6月議会で「高千穂中学校移転改築」と「高千穂鉄道跡地公園化」について、一般質問をしました。

前回のブログでは高千穂鉄道跡地公園化についてまとめたました。
その記事はこちらです。

<参考ページ>
高千穂鉄道跡地公園化に3つの提言

今回の記事では、もうひとつの「高千穂中学校移転改築」について、どういった提言をしたのかについて、まとめたいと思います。

提言1 新中学校と他の公共施設を複合化しては

今年度(令和5年度)から本格的に、高千穂中学校の移転改築についての協議が進められることとなっています。

現在の中学校は非常に老朽化しているため、1日でも早く、新中学校が完成することを願っています。

私が提言したのは、高千穂中学校の移転改築とあわせて、老朽化が進んでいる他の公共施設についても、学校施設と複合化し、整備してはどうかということです。

他の公共施設とは、例えば、図書館および中央公民館、中央体育館、子育て支援センター、温水プールなど、いずれも老朽化が進んでいる施設です。

中学校とこれら施設について、個々に建て替えや大型改修をするとなると、全体の事業費はかなり大きくなります。

そこで、中学校の整備とあわせて、これら施設の機能も備えた複合施設として整備してはどうでしょうか。

答弁1 複合化も検討する

この提言に対する答弁は「文部科学省内の有識者会議において「新しい時代の学びを実現する学校施設整備の方向性」として、学校施設を核とした他の公共施設との複合化についても示されている。
高千穂中学校についても、これらの点を踏まえて検討していきたい」というものでした。

さらに、高千穂町内は活用できる土地に限りがあるため、複合化したくても土地的な制約があること、複合化するには学校の生徒と一般の利用者の導線を分ける必要があること、などの答弁もありました。

また、教育長として、最低限の整備したいものとして、コミュニティスクールや地域学校協働本部事業もあるため、「地域の方が学校に来てコミュニケーションを取るスペースは、確実に確保したい」とのことでした。

複合化に取り組んでいる事例は、全国にたくさんありますので、様々な学校に学びながら、複合化の検討を進めていただきたいと思います。

提言2 新中学校に地域防災用の備蓄倉庫を

文部科学省の調査によると、2022年9月1日時点における公立小中学校等の複合化の事例は、11450校にのぼり、全体の約39%にもなるそうです。

もちろん、複合化の内容はさまざまで、図書館の事例や体育館の事例、なかには老人ホームという事例もあります。

さまざまある中で、もっとも多い事例は学校内に地域防災用備蓄倉庫を設けている事例です。
全国の公立小学校で5202件、公立中学校で2233件もの事例があります。

<参考リンク>
公立小中学校等にかかる複合化の実施状況調査結果(2022 年 9 月 1 日時点)

本町の場合、町として備蓄をしてはいますが、備蓄場所はというと、現在の観光協会事務所および各出張所です。

このうち、避難所になることがあるのは上野出張所だけで、他の場所は避難所にはなりません。

これでは、もし避難所に避難し、かつ町の備蓄を出す必要に迫られた際、手間がかかります。

そこで、新しく整備する中学校については、避難所として活用できるように整備することはもちろん、地域防災用備蓄倉庫も設け、町中心部の防災拠点としての役割を果たせるようにするべきだと思います。

答弁2 防災機能強化を検討

この提言に対する答弁は「先ほど述べた文科省の有識者会議が示した「新しい時代の学びを実現する学校施設整備の方向性」の中でも、学校が地域の避難場所として期待される役割も大きいとしている。

学校が地域の防災拠点としての役割を担うことは、とても重要であるため、備蓄倉庫についても防災機能強化の面から検討したい」というものでした。

ぜひ、実現していただきたいと思います。

防災については、考え出すときりがありませんが、水を確保するための受水槽の設置、雨水・プールの利用、さらには、ヘリが発着できるヘリポートなども検討していただきたいと思っています。

提言3 新中学校整備をPFI方式で

今の時代、どこの自治体も財政状況は厳しいです。
そこで、事業をするにあたり、どのように財源を確保するのかについて、変化の兆しがあります。

学校を建てるにあたり、従来通りの方法は、まず国や県の補助金をとる。
そして残りを自らの一般財源や基金から負担する、という方法です。

しかし、この方法では、建設年度の歳出が突出して大きくなります。
それでも大丈夫であれば、特に問題はないのですが、やはり財政状況が厳しいと、そうはいきません。

そこで、最近増えている方法が、PFI方式という方法です。
PFI方式は民間資金活用事業とも言われる方法で、その名の通り、民間のお金、具体的には、銀行などの金融機関からのお金を活用します。

つまり、学校を建てるにあたり、まずは学校の建設を担う特別目的会社を設立します。
次に、この特別目的会社が金融機関から学校建設のための費用を借り、学校を建設します。
自治体は、契約期間において(20年程度)、一定額を特別目的会社に支払います。
こうすることで、建設の年だけ歳出が突出するということはなくなるというわけです。

高千穂町では、まだ、PFI方式の実績がありませんが、中学校の建設の機会に、PFIに取り組むことを検討してはどうかと提言しました。

答弁3 検討する

この提言に対する答弁は、「効率的かつ効果的な整備が求められている。そのため、PFIなど多様や整備手法の検討も必要だ。一方で、学校の場合は、整備から維持管理、運用の全てにおいて一体的に民間の活浴を利用することができないケースもあると聞いている。PFI方式のメリット、デメリットを十分に理解し、検討していきたい。」というものでした。

まとめ

今回提言した学校施設と他の公共施設との複合化、備蓄防災倉庫、PFI方式など、どれも、高千穂町では、まだ取り組んでいないことになります。

上には書きませんでしたが、職員や教育委員などが先進事例を視察に行く際の旅費を、しっかりと予算に組んでほしいという提言もしました。

各地の先進事例から学び、高千穂町にふさわしい中学校を整備していただきたいと思っています。

今回はこれで失礼します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*