
こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
昨年の令和7年10月21日に、初の女性首相として高市内閣が発足しました。
その翌月の11月21日には、物価高に対応するための総合経済政策について、発表がなされました。
ガソリンの暫定税率廃止や、所得税の基礎控除引き上げなど、さまざまな政策が打ち出されました。
そして、そのさまざまな政策の中に、「物価高対策のための重点支援地方交付金」がありました。
これは、国から地方公共団体へお金を交付し、地域の実情に応じて、生活者や事業者に対し、きめ細かく物価高対策を実施できるよう支援するという政策です。
その額はなんと2兆円。
これまでにも、物価高対策のための交付金はありましたが、頭一つ抜けた額となっています。
この2兆円が、各地方自治体に交付されたわけですが、高千穂町にどれだけの額が交付されたのか、そして、高千穂町は交付金を何に使うのか、見ていきたいと思います。
高千穂町への交付金は2億6615万円
まず、高千穂町にどれだけ物価高対策のための交付金が来たのかというと、2億6615万円となっています。
この2億6615万円を、自由に使ってよいのかというと、そうではなく、この中には、国策としての物価高騰対策事業の予算も含まれています。
今回、国策としては、子育て応援手当として、18歳までの子どもに1人あたり2万円を支給する、というものでした。
2億6615万円のうち、3409万円が、これにあたります。
つまり、残りの2億3206万円について、町独自の物価高騰対策に使える予算ということになります。
①町民全員1万7000円分商品券配布
では、高千穂町独自の物価高騰対策を見ていきたいと思います。
まず、今回の町独自の物価高騰対策の目玉が、町民1人あたり1万7000円分の商品券を配布する事業です。
予算額は、1億9101万円になりますが、このうち、1億6815万円について、交付金を充当しています。
これまでも商品券の配付事業はありましたが、1人あたり5000円でした。
今回は、その3倍以上となります。
何でも、宮崎県内でも最高額だそうです。
この事業についての、議会における質疑および答弁は、議会だよりをご覧ください。

なお、質疑の中でもでてきていますが、以前、配付された商品券は、地域経済振興への支援という目的が強く、商工会加盟店のみで使用できるものでした。
しかし、今回は、それぞれの住民の生活の支援という目的が強く、商工会加盟店以外の町内の大型店舗でも使用できる商品券となりました。
②福祉・医療等関連施設への支援
次に、金額的に大きいのが、福祉・医療等関連施設に対する支援です。
事業費予算は2109万円ですが、このうち、1997万円について、交付金を充当しています。
支援の対象は、病院や個人病院などの診療所、高齢者施設、障がい者施設、幼稚園・保育園など、多岐にわたります。
確かに、福祉や医療分野は、頑張って売上を伸ばすというようなものではありません。
その一方で、物価高騰は着実に進んでいますので、経営的には影響があることは、間違いありません。
③肥育農家への支援
住民に商品券を配布したり、福祉・医療等関連施設を支援したり、という事業については、自治体の自主事業ではありますが、多くの自治体で同様に取り組まれています。
ですが、高千穂町ならではと感じるのが、次の、肥育農家への支援です。
高千穂町は和牛生産が盛んで、農業所得の大半が和牛生産という農家も多いです。
高千穂牛というオリジナルブランドを確立し、令和4年には、日本一の証ともいえる内閣総理大臣賞を獲得した農家もおられます。
和牛生産は多くの場合、繁殖農家と肥育農家による分業で行われます。
肥育農家は繁殖農家から子牛を買って、大きく育てる役割を担っています。
子牛価格が50万円代程に低迷している時期がありましたが、近年は70万円ほどになるなど、回復してきているようです。
しかし、肥育農家の売上に直結する枝肉価格は横ばいとなっています。
そのため、肥育農家の経営が圧迫されている状況となっています。
こうした状況をふまえ、町として独自に、肥育農家が令和7年度に導入した牛1頭あたり3万円、農協肥育センターに1頭あたり1万円を支援するものです。
事業費として、1465万円で、このうち1400万円が交付金です。
④小中学校給食費の支援
現在、物価高騰はさまざまに影響があるわけですが、学校給食にも当然ながら影響があります。
令和6年時点では、小学校で4000円代でしたが、令和7年にはどこの小学校も5000円を超えました。
中学校では6000円以上となっています。
こうした背景から、小中学校の給食費への支援に、1214万円が計上され、このうち985万円が交付金です。
なお、小学校の給食費については、令和8年度から、国が主導する小学校給食費無償化の取り組みがあります。
ただし、国の取り組みは正確に言うと無償化ではなく、月額5200円まで国が負担するというものです。
それを超えた分について、市町村ごとで対応が分かれますが、高千穂町は超えた分についても、負担するため、無償化が実現できています。
中学校の給食費については、国の取り組みはありません。
しかし、町独自の取り組みとして、令和8年度の給食費の半年分について、この事業で負担することとなりました。
⑤農家への支援
高千穂町は、農業が主な産業の一つですが、家族経営の小規模な農家が多い傾向にあります。
また、多くの場合、農産物の価格は市場で決められるため、かならずしも現在の物価高騰を反映した価格で出荷できているわけではないのが実情です。
こうした町内の農家を支援するため、農業用次第などを購入する際に使用可能な商品券を、1世帯につき5000円配付します。
予算額は785万円で、このうち700万円が交付金です。
⑥農産加工品送料補助
がまだせ市場の鬼八の蔵やミートセンターで、一定額以上を購入した人が、町外の親戚などに送る際の送料を補助するというものです。
ここ数年、同様の事業が実施されています。
実施時期は、お中元やお歳暮の時期にあわせて実施するようです。
予算額は616万円で、このうち589万円が交付金です。
⑦学校・社会教育施設光熱水費高騰支援
物価高騰の影響は、当然、学校施設にも影響がでています。
例えば、令和6年度と7年度を比較した際、小学校では電気料金が52万円、中学校では158万円高騰しています。
中央公民館やコミュニティセンターといった施設も同様です。
これらは当然ながら、すでに予算化されていたものになりますが、高騰した分を支出する財源として、交付金を充当します。
これについての予算額は217万円で、全額が交付金です。
⑧給食宅配サービスへの支援
高千穂町では、炊事が困難な65歳以上の高齢者などを中心に、希望者に夕食となる給食を宅配しています。
利用者負担が以前は1食400円でしたが、450円、500円となり、令和8年度からは600円となりました。
しかし、令和8年度については、交付金も活用し、500円に据え置くこととしました。
給食宅配サービス自体の予算は3225万円ですが、このうち100円分の増額を抑えるための交付金が、215万円です。
まとめ
他にも物価高騰対策ありますが、主な事業としては、これまで説明したとおりです。
まとめると、このようになります。

やはり目立つのが、県内最高額となる、1人あたり1万7000円分の商品券を配布だと思います。
できる限り公平にすべての町民の皆様を支援したいという町の意向が伺えます。
一方で、事業者向け支援の点では、農業分野への支援はあるものの、その他の商工分野への支援はありませんでした。
実際に、「なぜ農業だけ」という声も聞かれました。
今回の交付金は、令和7年度の国の予算ですが、令和8年度にも、同様の交付金があるかもしれません。
その際には、より広く支援が行き渡るような事業に取り組んでいただきたいと思います。
では、今回はこれで失礼します。
