
こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉てつおです。
先の3月議会では、令和8年度の予算を中心に審議しました。
詳細については、議会だよりNo.130をご覧いただくとして、今回のブログでは、中でも最も目を引くであろう、天岩戸の湯の改修工事について、まとめたいと思います。
天岩戸の湯改修工事に1億788万円
天岩戸の湯は、1994年に天岩戸温泉として開業し、2019年からは公衆浴場として運営されています。
営業開始から30年以上が経過し、施設の老朽化が著しく進んでいます。
これまでは応急的な修繕により対応してきましたが、令和8年度に抜本的な改修を行うこととなり、事業費は1億788万円です。
改修の主な内容
改修は主に3つの内容に分類できます。
1つめは、高圧受電設備および動力設備工事で、予算額は3,775万円です。
高圧受電設備はキュービクルともいい、電力会社から送られてくる高圧電力を、一般的な使用が可能な低圧電力に変換するする設備です。
このキュービクルが法改正により令和8年度から、新基準のものが必要となりました。
従来から使用しているものについては、引き続き使用できるのですが、それが故障した時に修繕ができないため、この度、新基準のキュービクルへ切り替えることとなりました。
また、キュービクルは受注生産とのことで、発注してから納品までが半年後などになるようです。
2つめは、空調およびボイラー工事で、予算額は5,179万円です。
既存施設は空調とボイラーが一体となっているタイプで、開業当時は一般的なものでした。
しかし、現在では、電気で動く空調の方が高効率であるため、空調とボイラーを別のものに更新します。
これにより、改修後の光熱費、燃料費などのコストダウンが期待されます。
3つめは、本館建屋工事で、予算額は1,832万円です。
主な内容は、漏水対策として屋根や外壁の防水改修や、内装工事として天井・更衣室の改修、畳の張り替え、その他として空調設備や高圧受電設備の基礎の施工などです。
以上、3つの工事で、合計が1億788万円となります。
1億円の気になる財源は
高千穂町の財政は、決して楽観できる状態ではなく、どちらかといえば厳しい、という認識は、多くの住民の皆様も持っていると思います。
実際その通りで、以前から厳しかったのですが、ここ数年については、物価や人件費の上昇で、さらに厳しくなっている状況にあります。
そんな高千穂町が、1億円もの予算を、どこから確保したのか気になるところです。
1億788万円の財源は次のとおりです。
【過疎債】4500万円
【企業版ふるさと納税】6126万円
【一般財源】161万円
まず、過疎債とは何かというと、端的に言えば、町の借金です。
しかし、ただの借金ではなく、借金の返済額の約7割が、後年度に国から町への普通交付税に算入されるという、とてもありがたい借金なのです。
次に、企業版ふるさと納税とは、過年度にいただいた、企業からの寄付金です。
なお、企業版ふるさと納税は、寄付した企業が、寄付金の使い道をある程度、希望することができます。
そして、この寄付金については、観光振興を希望とのことで、今回、使わせていただくこととなっています。
一般財源は、純粋に、町の負担です。
つまり、1億円といっても、実質的には、町の負担はかなり抑えられていることになります。
そもそも天岩戸の湯の収支の状況は
天岩戸の湯は、独立した会計ではなく、町の一般会計の中で運営しています。
天岩戸の湯だけで見ると、開業以来赤字が続いており、例えば令和6年度の決算では、3,724万円の赤字です。
また、開業から令和7年度までの赤字を累計すると約8億万円になります。
ただし、説明した通り、一般会計の事業であるため、赤字と言っても借入金のように返済していく必要のあるものではありません。
とはいえ、近年は人件費や燃料費の上昇により、経営環境は一層厳しさを増しています。
天岩戸の湯改修についての主な質疑
天岩戸の湯改修の予算を含む、一般会計予算案を審議したわけですが、審議にあたり、議会全員協議会、本会議、予算審査特別委員会と、3回の質疑の機会がありました。
その中で出た、主な質疑をまとめます。
(※私の質疑もあれば、他議員の質疑も含みます)
Q 天岩戸の湯を残してほしいという声はどれほどあるか。
A 令和2年度のアンケートで、高千穂の湯か天岩戸の湯か、どちらかを残してほしいという声が全体の7割あり、これを踏まえて天岩戸の湯の存続が決定している。
Q これほどの大型事業については、予算計上前に、議会と相談するべきでは。
A 予算を組む段階で相談すべきという点については、反省すべきと思う。
高千穂の湯を閉館し、天岩戸の湯に集約した流れや、福祉的な目的からも、改修をしたうえで、さらに長い年月、運営ができればと考えている。
Q 改修工事により休館する必要のある期間はどれほどか。
A 2~3カ月ほど休館が必要になると思われる。
時期については、まだ未定だが、影響を最小限に抑えたい。
Q これまで赤字が続いているわけだが、改修後の経費削減策は。
A ボイラー改修により、エネルギー効率は10~15%アップする。
また、営業時間の短縮や利用料金改定により、収支の改善を検討している。
サービス向上と経費削減を要望
天岩戸の湯改修工事の予算を含む、一般会計予算は、全員賛成で可決しましたが、天岩戸の湯はこれまで赤字が続いていることなどから、議会として以下の意見を付けました。
「天岩戸の湯の改修後は、サービスの向上と、効果的な経費削減に努めること」
というわけで、改修後も天岩戸の湯から目が離せません。
しっかりと、チェックしていきたいと思います。
今日はこれで、失礼します。
