こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
今回は3月の議会で改正が可決した医師修学資金貸与条例についてまとめたいと思います。
医師不足が続く町立病院
高千穂町立病院の常勤医師は、平成31年4月1日現在で、9名です。
内訳は、内科4名、整形外科2名、耳鼻咽喉科1名、外科1名、小児科1名です。
以前は外科だけで3名の常勤医師がおり、多くの手術に対応できていましたが、現在は十分に対応ができていないのが実情です。
近年の常勤医師数の推移を見ると、このようになっています。
ちなみに、下は町広報の院長の記事です。
医師不足の実態がよくわかります。
しかし、この医師不足は高千穂町だけではなく、全国的な問題となっています。
厚生労働省が医師偏在指標を発表
新聞記事にあるように、厚生労働省は2月に、三次医療圏別(都道府県別)と、全国を355の地域に分けた二次医療圏別の「医師偏在指標」を、それぞれ発表しました。
まず、宮崎県自体が、全国の中でも医師が平均よりも少ない「医師少数区域」となっています。
さらに二次医療圏別では、延岡・西臼杵は、355地域中229位となっており、全国でも医師が少ない地域であることがわかります。
厚生労働省の医師偏在指標の資料はコチラ
対象が「町」から「郡」へ拡大
新聞記事にもあるように、国としてもこの医師偏在の状況を解消しようと動いてくれるわけですが、町としても医師確保に向け動いています。
そのひとつが、3月の議会で可決した医師就学資金貸与条例の改正です。
高千穂町では平成25年から医師修学資金貸与条例を施行しており、高千穂町出身で、かつ医学部に進学し、将来町立病院で勤務する意志のあるものに対して、無利息の就学資金を貸与しています。
さらに、3年間町立病院で勤務すれば返済が免除されるため、医学部へ進学する人にとっては、とてもありがたい制度です。
今回の改正では、その対象者を「高千穂町出身」から「西臼杵郡出身」に改めるというもので、議会としても全員賛成で可決しました。
議員からは「西臼杵郡出身ではなく、宮崎県出身まで広げてもよいのではないか」という意見もありましたが、財源の問題もあるため、今回は西臼杵郡となりました。
西臼杵3町の連携が必要
五ケ瀬町にも同様の条例があるそうですが、日之影町にはないそうです。
新町長の公約のひとつに、西臼杵3町で連携し、高千穂町立病院を西臼杵の中核病院とする、というものがあります。
私もこの考えには賛成です。
ぜひ、実現に向けて動いてほしいと思います。
また、医師の確保についても、3町で連携を取りながら進めてほしいと思います。
それでは、今日はこれで失礼します。