こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
今日は、令和元年(2019年)度の目玉事業の1つである、小水力発電についてまとめたいと思います。
小水力発電とは
まず、小水力発電とは何か。
水は、高いところから低いところに流れます。
流れる際に、位置エネルギーが発生します。
より高いところから、より低いところに水が流れると、より大きな位置エネルギーが発生します。
そして、水の流れによって発生する位置エネルギーを利用しタービンを回転させ、電気エネルギーを発生させる方法を水力発電といいます。
水力発電にもいろいろな種類や分類方法がありますが、発電出力による一般的な分類において、1,000~10,000kWのものを、小水力発電と呼びます。
ちなみに、高千穂町近隣の事例でいうと、冒頭の写真の日之影町に先進事例があります。
新町長の意向で加えられた小水力発電事業
3月議会で執行部が出してきた予算は、実質的には前町長の意向により策定された予算がほとんどです。
その骨格予算に、新町長が若干肉付けしたものがいくつかあり、第1子からの子育て支援金もそのひとつです。
そして、もう一つの肉付けした予算が、この小水力発電の事業です。
結論としては、小水力発電の調査を含めた基本設計委託料として、2,118万円が一般会計予算に組み込まれ、議会としても可決しました。
この小水力発電事業は、新町長によると「将来の財源確保の投資」ということでした。
小水力発電について質疑
小水力発電の事業について不明点があったので質疑しました。
以下、そのまとめです。
Q.子育て支援については選挙中によく耳にしたが、小水力発電については公約として聞かなかったように思う。しかし、当初予算に入ったということは強い思いがあると思われるが、以前より小水力発電に取り組みたいという考えを持っていたのか。
A.世界農業遺産・ユネスコエコパークを活用した地域づくりにも力を入れていきたいということは話をしていた。その中で、山腹用水路などを活用した小水力発電についても、思いは持っていた。
今後、山腹用水路をいかに維持するかという課題があり、小水力発電を活用して山腹用水路維持の財源にあてることを考えている。
山腹用水路を使ってこうしたことができるんだというモデルをつくりたい。
Q.これまでの小水力の取り組みは?
A.平成24年、平成25年に県の補助金を利用して、小水力発電に取り組みたいと希望した町内7ヶ所で調査をしたが、その際は採算を見込めなかった。
その後、企業局による可能性調査が別の場所で行われ、概略の調査で採算性があるという見込みが出た。
そして、一体どのくらいの規模でどのくらいの設計をしたときに採算がとれるのかの詳細な調査が必要となり、予算を計上した。
Q.今年度が設計として建設はいつか?
A.FIT(固定価格買取制度)の制度がある来年度のうちに準備する必要があると考えている。
Q.日之影町にあるものと同様の規模か?
A.小さいものと大きいものの2とおりの報告がされており、小さいほうは、日之影町の者と同様の規模である。
Q.小水力発電に取り組むにあたり、地元土地改良区の負担は発生するのか?また、収益は地元に入るのか?
A.地元の負担は考えていない。調査費についても町が負担する。収益については町の財源に充てるつもりである。
Q.管理は地元がするのか、町がするのか?
A.高齢化が進む中、また、専門的な知識が必要になることから、地元で管理することは難しいと考えている。そのため、町で管理する。
Q.地元への還元は考えているのか?
A.水を使わせてもらうことになるので、何らかの還元は必要だと考えている。
(※正式な議事録ではありません。発言内容を省略したり、よりわかりやすい別の表現に変更したりしています。
また、議場での質疑もあれば、委員会での質疑もありますし、私の質疑もあれば、別の議員による質疑もあります。
議会の内容を伝えることを第一としています。ご了承ください。)
今後は地元との密な協議を
3月の議会の段階では、まだまだ予定段階で、地元との協議についても、これからとのことでした。
そのため、一般会計予算案に対する附帯意見として、「小水力発電事業の詳細や今後の計画については、関係機関・地域と十分協議のうえ、事業の推進を行うこと」を加えました。
小水力発電事業が地元の方にも歓迎される事業となるよう、協議を進めていただきたいと思いますし、議会としても進捗を随時確認していきたいと思います。
今回はこれで失礼します。