みなさま、こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
議会が始まっており、本来であれば、リアルタイムで多くのことを発信していきたいのですが、かなり情報量のある内容を議会で話し合っており、予備知識のない私からしたら、まだまだリアルタイムでまとめて発信するということができる実力がありません。
でも、かならず発信させていただきますので、もうしばらくお待ちください。
今回は、先日、議員全員で宮崎県小林市に研修へ行き、学んできた内容について、まとめたいと思います。
研修内容は、ユニークな動画を生み出した、「てなんど小林プロジェクト」についてです。
まずは、再生回数が2百万回を超えた、あの動画を再度ご覧ください。
うーん、何度見ても、見入ってしまいますね。
この動画は、映像美とフランス語のナレーションと思っていたら、実は西諸弁だったというトリックで話題となり、2016年 ACC CM FESTIVAL インタラクティブ部門グランプリ受賞しました。
この受賞は、音楽業界でいうところの、レコード大賞を取るようなものなのだそうです。
私は以前からこの動画については知っていましたが、どうしても2点の疑問がありました。
(1)この動画の目的は、移住促進だが、実際にその成果はでたのか?実際には、この動画を見たからといって、移住には結びつかないのではないか?
(2)なぜ、これほどの成功を収めることができたのか?そして、同じようにPR動画をつくる他の自治体はなぜ、失敗するのか?
まず、(1)についてですが、結論から言うと、この動画ですぐに移住に結びつなかいという点は、担当者の方も十分理解されていました。
ただ、動画により小林市という名前を広め、数多くある移住先候補の中に、小林市が入る事が、とりあえずの目標、とのことでした。
移住相談の件数が、4.5倍になったということですので、一定の成果はあったということができます。
そして、本題は(2)です。
この動画の主な要素は、「方言」です。
なぜ、方言というコンテンツを、ここまで磨き上げることができたのか、以前から不思議でした。
が、担当者の方のお話を聞いて、ようやくわかりました。
そもそも、この動画は、小林市がとりくむ「てなんど小林プロジェクト」の取り組みの一つとして取り組まれたものです。
このプロジェクトは平成26年に始まったものですが、どのようなプロジェクトなのか簡単にいうと、「地元のこををもっと好きになるために、地元の魅力を見つけて、地元に向けて発信しよう」というものだそうです。
さらに言うと、「内輪で楽しめることをしよう」となるでしょうか。
つまり、もともとは、全国に小林市をPRするというプロジェクトではなかったのです。
ですので、「てなんど小林プロジェクト」では、まず、小林市らしさとは何かを見つけるワークショップからはじまりました。
こうしたワークショップでは、よく組織や地域の代表が集められるのですが、このプロジェクトでは、20~40代の個性的な市民に入ってもらい、ワークショップを繰り返し開催したとのこと。
すると、次々とアイデアがでてきました。
その中で、西諸弁のあるあるネタは、必ず盛り上がるということで、西諸弁に関する企画に多く取り組みました。
●西諸弁エピソードコンテスト(画像はHPのスクリーンショット、以下同様)
●西諸弁ポスター
●西諸弁Tシャツ
●西諸弁PR動画
などなど。
こうしたアイデアは、すべてワークショップに参加した市民からの発案で、役所は市民とともにアイデアを形にするだけ。
当然、ほとんどがボランティアでの取り組み。
にもかかわらず、自ら汗をかき、このように実績と成果を積み上げていったのです。
そして、平成27年になり、市長の意向で、全国へ向けたPR動画制作に取り組むことになりました。
ここまで来ていたら、動画のネタも、当然、方言になりますよね。
まさに、ローマは一日にしてならず!
小林市の成功に続けといわんばかりに、多くの自治体で、一風変わったPR動画が作られていますが、住民からのクレームで炎上するケースもあるなど、成功したという事例をあまり知りません。
それもそのはず。
動画という表面的な部分を真似しようとしても、真似できるわけがないのです。
今回学んだ点を私になりにまとめると、このようになるでしょうか。
1.地域活性化には、若い世代の住民や出身者の力が必須!
2.住民のアイデアを形にするうえで、行政のサポートは必須!
3.当事者が楽しみながら、汗をかけることをする!
4.小さな成功体験を積み重ねたのち、大きな挑戦をする!
本当に勉強になりました!
視察に対応していただいた小林市役所の担当者の皆様、そして、てなんど小林プロジェクトの関係者の皆様、ありがとうございました!