板倉てつお 公式ブログ

国保税引き上げの背景に迫る

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議会だよりたかちほ No.103 より

 

こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。

前回の議会で、国保税が3年ぶりに引き上げる条例改正が可決しました。
今回は、この件をまとめたいと思います。

 

個人事業主などが加入する国民健康保険

そもそもの話ですが、日本は国民皆保険制度の国です。
基本的に全ての人が医療保険に加入しています。

大きく分けて個人事業主などが加入する「国民健康保険」と会社員や公務員が加入する「社会保険」があります。

今回は「国民健康保険」についての話になります。

ちなみに、議員という職業は非常勤の公務員になります。
そのため、私も国保に入っています。

 

保険税の決まり方

保険税は自治体ごとに決められています。
そのため、「〇〇は保険が安いが、△△は高い」といったことがおきます。

では、どのように保険税が決められているのか。
私も知らなかったので勉強しました。
まとめると、次のようになります。

(1)県が県内の医療給付費(自己負担分以外の費用)の見込みを立て、保険料収納必要額を算定し、市町村ごとの納付金を決定する

(2)市町村は納付金を納付するために必要な保険税必要額を算出し、保険税を決定、徴収し、県へ納付金を納める

(3)県は保険給付に必要な費用を全額、市町村へ交付する

 

2019年度の宮崎県の国保算定結果

2019年度の県の国保算定結果により決定された市町村ごとの納付金がどうなったのかを見たいと思います。
つまり、上述の(1)の結果決まった市町村ごとの納付金がこちらです。


平成31年度国民健康保険事業費納付金等の算定結果について」より抜粋(以下、同様)

 

一人当たりの保険税必要額は

次に、上述の(2)のところの話になります。
それぞれの市町村の1人当たり保険税必要額が、このようになります。

 

平成28年(2016年)からの増減率を見ると、自治体によりかなり状況が異なることがわかります。

 

あまりの急激な増加は住民に負担となりますので、それを緩和する措置が取られます。
具体的には、2016年比で14.6%以上の増となった11の自治体に対して、緩和措置がとられました。
また、そのために国費や県の基金約6億3千万円が投入されました。

その結果、それぞれの市町村における、1人当たり保険税必要額が、このように決まりました。

高千穂町は、2016年比で10.7%増の99,879円となっています。

 

こちらの新聞記事をご覧になったかたもおられると思いますが、上記をわかったうえで新聞を読まれると、より分かると思います。


宮崎日日新聞2019年6月12日より

 

 

2017年、2018年は基金を崩して対応していた

県全体でも、町でも、2016年比で増額になっています。
もちろん、2019年になっていきなり上がったのではなく、徐々に上がっていました。

一方、この2年間は保険税は据え置かれていました。
では、この間の増加について、高千穂町はどのように対応していたのかというと、町は町で基金をもっており、その基金を取り崩すことで対応していました。

しかし、その基金の残高が議会だよりの記事にある通り、平成21年度末には4億6400万円あったのが、平成30年度末に1億5200万円にまで減少しているのです。

 

国民健康保険を持続させるための増税

基金に大きく依存する現在の保険税では今後が続きません。
そのため、6月議会で、保険税が改定されました。

増額の目安が、議会だよりに掲載されています。
実際の税金は、諸条件により異なりますので、詳細は担当課にお尋ねください。

では、今回はこれで失礼します。

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