板倉てつお 公式ブログ

鉄道公園化構想についての誤解を解く

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こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。

今回は、新聞やテレビなどでも報道された、旧高千穂鉄道の施設を活用した鉄道公園化構想についてまとめたいと思います。

下記の記事のように大きく報道された反作用なのかもしれませんが、一部、誤解も広がっているように思います。
私が知り得る限りにはなりますが、正しい情報をまとめたいと思います。

 


※宮崎日日新聞2019年8月29日より

 

 

 

行政報告で鉄道公園化構想を公表

2019年8月28日、令和元年第3回高千穂町議会定例会が開会しました。

議会の初日には、まず、町長からの「行政報告」が行われます。
「行政報告」では、前回の議会が閉会してから今回の開会日までの事業の進捗状況や、新たに発生した行政課題などが報告されます。
その後、今回の議会に提出された「議案の提案理由説明」が、町長及び、所管の課長によってなされます。

今回の鉄道公園化構想は、冒頭の「行政報告」において、町長が公表したものになります。
「議案の提案理由説明」ではなく、「行政報告」において、公表したというところがひとつポイントになります。
これについては、また後ほど出てきますので、頭の片隅に置いておいてください。

 

鉄道公園化構想の具体的な内容は

町長が公表した鉄道公園化構想とはどのような構想なのか。
簡単にまとめると、次のようになります。

・高千穂鉄橋を歩けるように整備する
・有料(大人500円、小人300円)の鉄道公園とする
・30万人の来客、1億8000万円の売上を想定
・旧天岩戸駅周辺、もしくは対岸の大平集落に駐車場、売店を整備する
・事業費は概算で10億円
・鉄道公園の運営は、まちづくり会社などを検討
・詳細設計を遅くとも来年度には発注
・設計から3~4年以内には完成を目指す

 

いくつかの誤解

議会の初日の後、8月30日に町長が記者会見を行いました。
新聞やテレビでも報道されたこともあり、鉄道公園化構想について、すでに多くの人に広まっているように思います。
実際に、町民の方からも、多くの反応を聞いています。

しかし、私個人として、ちょっと疑問に思う内容で報道がされたこともあり、若干、誤解も広がっているように思います。

鉄道公園化構想について議論するのは大いに歓迎なのですが、まずは正しい理解をしたうえでの議論でなければ意味がないと思います。
そのため、私としては正しい情報が広まってほしいなと思いますので、この場で、私が耳にした誤解に対する釈明をしたいと思います。

 

誤解その1 議会がすでに鉄道公園化構想に賛成している

まず多い誤解がこれです。
正しくは、議会としては、鉄道公園化構想に賛成も反対もしていません。

議会の流れを知らなければ、ちょっとわかりにくいかもしれませんので、ちょっと説明します。

思い出してほしいのですが、鉄道公園化構想は町長が議会初日の「行政報告」として公表しただけです。
つまり、鉄道公園化構想は、今の時点では議案でもなんでもないのです。

各議員は議案に対して賛成や反対の意思表示をし、賛成多数なら可決となり、その議案のとおり事業が行われます。
しかし、今回は行政報告として町長が公表したのみにとどまっており、議会として賛成も反対も意思表示する場はありません。

鉄道公園化構想が議案として出てくるのは、「詳細設計を遅くとも来年度には発注」という町長の発言から考えると、次回の12月議会、もしくはその次の、令和2年3月議会のタイミングになると予想されます。
議会として賛成、反対の意思表示をするのは、その時が最初になります。

また、詳細設計の後、着工の予算の議案が出されると思いますが、その時も議会として賛否を表明するタイミングになります。

 

 

誤解その2 町があまてらす鉄道に肩入れしている

次に多い誤解がこれです。

あまてらす鉄道は、民間企業です。
旧高千穂鉄道の施設を活用し、スーパーカートを運行しています。
スタッフの皆様の献身的な努力のおかげで、今では高千穂峡のボートにつぐ人気となり、年間5万2000人の来客があります。

一部の報道が、鉄道公園として整備することで、来客が現在の年間5万2000人から30万人に増える見込みだ、というような内容で報道されていました。
そのため、町があまてらす鉄道に肩入れしている、と誤解された方もおられるかもしれませんが、これは誤りです。

鉄道公園とあまてらす鉄道は別ものです。
鉄道公園の来場者として、年間30万人を予想しているだけで、あまてらす鉄道の来客が30万人に増えるというわけではありません。
鉄道公園の運営についても、あまてらす鉄道とは別で考えており、「まちづくり会社など」を想定しているとのことでした。

もちろん、鉄道公園を整備した余波として、あまてらす鉄道の来客が増えるということは町長も期待していると思いますが、町があまてらす鉄道に肩入れする、というのは正しい理解ではないと思います。

 

正しく理解したら、活発な議論を

鉄道公園化構想については、以上のような理解をしていただければと思います。

改めての説明ですが、町長が次回、あるいは次々回の議会で、議案として、鉄道公園化構想実現に向けた設計の予算を提出すると思われます。
議会として賛成、反対をするのは、その時が最初になります。

私は鉄道公園のすべての情報を知っているわけではありません。
議員として、今後の情報収集に努めていきたいと思っています。

また、多くの町民の皆様と、この件について意見交換ができればと思っておりますので、お気軽にお声がけください。

では今回はこれで失礼します。

 

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コメント

  1. 桐木 より:

    慎重に進めるべきです。ぞくに言う第三セクターは多くが失敗しています。投資した金額は、回収する。そんな企業会計的な考え方が必要ではないでしょうか。失敗したら誰が責任とるの?

    1. itakuratetsuo_admin より:

      まったくその通りで、慎重な検討が必要ですね。
      あくまで結果論ですが、温泉も失敗だったと言わざるを得ない状況ですし。
      失敗した責任というか、そのしわせよは、町民に帰ってきますので、多くの町民の皆様に、考えていただきたい問題です。

  2. 佐藤良延 より:

    当然の手続きですね。私は、甲斐町長がこのような方針を発表したことに意義があると思っています。明石海峡大橋も最初は法螺ばなしみたいに思われていますが、立派に現存して、更に淡路島の水不足まで補う存在になって、今や貴重なインフラとなっています。種々の困難性はあるとは思いますが、関係者の皆様の実現へのご努力に期待したいと思います。
    部外者の勝手な感想かもしれませんが、ご容赦のほどを・・・。

    1. itakuratetsuo_admin より:

      これまでの前提が、旧高千穂鉄道の施設は「撤去」だったのが、正式に「活用」するとなったことは、とても意義がありますね。

      明石海峡大橋には水不足を補う役割もあるのですね。
      事前の想定が、きちんとされていたということでしょうか。

      今回の鉄道公園についても、事前の精密な構想をいかに築けるかが大切だと思っています。

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