こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
広報高千穂2019年10月号が公民館を通じて配布されました。
(※ちなみに9月議会の議会だよりは、議会の構成替えがあったため、遅れています。)
毎回、興味をひく特集を組んでいる広報ですが、10月号は公衆浴場と温水プールの3施設についての内容でした。
現状と課題を、とてもわかりやすくまとめている記事でした。
さらに、町が公衆浴場について、意見をうかがうアンケートを実施中です。
今回のブログでは、これら3施設について、広報の記事を補足する形でまとめたいと思います。
3施設の概要
まずは、3施設の建設年と、設置目的をまとめます。
<天岩戸の湯(※開業当初は天岩戸温泉)>
開業日:1994年(平成6年)
設置目的:住民の保養及び健康増進を図るとともに、地域間交流に活用し、もって地域活性化に資する施設
<温水プール>
開業日:1996年(平成8年)
設置目的:町民の健康増進と福祉の向上を図り、あわせてスポーツの振興に寄与することを目的とする施設
<高千穂の湯(※開業当初は高千穂温泉)>
開業日:1998年(平成10年)
設置目的:住民の保養及び健康増進を図るとともに、地域間交流に活用し、もって地域活性化に資する施設
ちなみに、設置目的は高千穂町の「公の施設に関する条例」からの引用です。
建設当時は温泉だった天岩戸の湯や高千穂の湯の設置目的ですが、観光振興ではなく、「住民の保養及び健康増進」が第一の目的なのですね。
今更なのですが、ちょっと意外でした。
収支状況について
3施設の収支状況については町公報でわかりやすくまとめられていましたので、それをそのまま引用します。
平成14年からしか掲載がありませんが、それ以前も黒字ではないそうです。
なお、累積赤字がいくらといった記述がありますが、3施設は独立した事業者ではありません。
毎年の赤字は町の一般会計のなかで計算されるため、3施設が借金を抱え込んでいるという状況とは異なります。
今後の課題
今後の課題としては、町公報であげられていたとおり、次のようなものがあります。
・施設の老朽化による修繕費用の増加
・浴場のレジオネラ菌対策による整備維持費用の増加
・働き方改革による人件費の増加
・慢性的な人手不足
・累積する赤字(経費の8割は固定費のため赤字解消には利用客を増やすほかない。)
これについて、少し補足したいと思います。
まず、修繕費用ですが、3施設合わせて毎年1000万円以上かかっている現状です。
特に機械類は故障個所の部品の製造が終了しており、機会を本体ごと入れ替えざるをえないため、高額になる傾向にあります。
次に、経費について、高千穂の湯を例に説明します。
平成30年度の歳出合計が、約8445万円です。
この内訳の多いものから記すと、このようになります。
・賃 金 2,153万円
・光熱水費 2,024万円
・燃 料 費 1,334万円
・委 託 料 644万円(機械の保守点検など)
・保 険 料 560万円(従業員の社会保険など)
これだけで、6,715万円で、歳出の約8割になります。
また、どの項目も削ることが難しい経費ですので、黒字を目指すなら、経費削減ではなく、歳入の増加を目指すしかないということになります。
町が配布した資料に入館者の推移と、損益分岐点となる利用客数が書かれています。
高千穂の湯の平成30年度の利用者が74,393人ですが、損益分岐点は169,800人(2.3倍)。
天岩戸の湯の平成30年度の利用者が46,725人ですが、損益分岐点は123,600人(2.6倍)。
温水プールの平成30年度の利用者が10,596人ですが、損益分岐点は39,000人(3.6倍)となっています。
町がアンケートを実施
3施設のうち、公衆浴場の2施設について、高千穂町が町民を対象に次のようなアンケートを公民館を通じて配布しています。
今回のアンケート結果で何かが決まるわけではありませんが、今後の政策の参考にしたいとのことです。
提出期限が11月22日までとなっておりますので、アンケート用紙が届いておりましたら、ぜひ回答をお願いいたします。
それでは今回はこれで失礼します。
お疲れ様です。大変ですね。両施設とも、温泉とは呼べなくなったのですね。私は住民ではないので、板倉さんの外部サポーター(自称ですが)として、感じたことをお伝えします。
高千穂の宿泊客が少ない事の原因の一つが、温泉がない事だと思います。アンケートにはそのことを考えた設問が見当たりません。改修存続か、廃止の方向性です。利用客数と収支
(施設目的への貢献度は示されていません)の数値だけが示されていますが、これを考えるとほぼ開業当時まで利用者数を引き戻す必要がありそうです。その方策は無いのでしょうか。
又、泉源が温泉の効能を示さなくなった原因は、熊本地震や阿蘇山の噴火と関係があるとすれば、泉源の再調査や井戸の掘削深度を深めることなどの検討はどのように考えられているのでしょうか。それらについての住民の考え方を問うのも重要ではないかと思う次第です。
私の知る限り、住民の方々に限らず近郊地域に転出した出身者などの、結構なコミュニケーションの場にもなっているようです。これ等は地域のコミュニティづくりに欠かせない大切な事ではないかと思われます。充分なご検討をお願いする次第です。拝