こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
前回の9月議会では、町長が行政報告の中で、高千穂鉄道跡地公園化構想を発表しました。
その後、記者会見も行われ、新聞やテレビでも取り上げられたので、広く認知されていると思います。
議会の中で私を含め複数の議員から質疑がありました。
概要は議会だよりを読んでいただくとして、もう少し補足した内容をまとめたいと思います。
高千穂鉄道跡地公園化構想のおさらい
公園化構想とはどのような構想なのか、簡単にまとめると下記のようになります。
・高千穂鉄橋を歩いて渡れる施設に改造し、塗装もする
・高千穂鉄橋周辺に駐車場や休憩所等を設ける
・概算の事業費が約10億円
・年間30万人の来場と1億3000万円程度の収益を見込む
ちなみに、鉄道公園化構想の発表後、「町があまてらす鉄道の支援に多額の税金を使おうとしている」という誤解があるのですが、あまてらす鉄道が行っているスーパーカートの事業とは、直接的には関係のない事業になります。
では、以下に答弁と質疑をまとめます。
10億円の内訳は
Q.10億円の内訳は。
A.塗装関係が2億3,000万、耐震補強が3億3,000万、あとは歩廊化のための歩道の設置と補修工事の費用である。
歩道の設置については、トラス下の点検通路を拡張する案と、線路の横に歩道を設ける案とがあり、それにより費用は異なる。
また、塗装についていったん既存の塗装をはぐ必要があるのか、上から上塗りできるのかで金額が変わる可能性がある。
他の大型事業が終了してからでよいのでは
Q.5年連続実質単年度収支が赤字となっており、高千穂町の財政状況は厳しい状況にある。
南平団地の建て替えなど、現在取り組んでいる大型事業が落ち着いてからではダメなのか。
A.高千穂鉄道の施設撤去のために宮崎県、延岡市、日之影町、高千穂町で高千穂線鉄道施設整理基金を来年度までの10年間積み立てているが、利用期限が来年度までである。
現時点では、高千穂鉄橋以外の跨道橋、駅舎について、令和2年度に撤去するということになっている。
最終年度を前に判断をしないと、本当に撤去しなければならなくなる。
また、県に対して、使わなかった基金の清算を考えていただけないかという議論をしているところであり、前向きに検討していただけそうな兆しもある。
こうしたことから、これ以上先送りはできないということで、今回、公表させていただいた。
他の案はなかったのか
Q.今回の事業は10億円の案しかないのか。
例えば、塗装だけするような案はないのか。
A.収益が上がらないような投資はできない。
投資をして、回収できる方法を考えなければ、投資はできないと考えている。
いまある資産をどのように利用すれば投資を回収できるのかを考えた時、乗り物が走り、人が歩くことができる観光資源とすることによって、十分に10億円を回収できると考えている。
公約の中でも優先度の高い事業か
Q.町長の選挙時の公約には、高千穂鉄橋の歩廊化のほかに、森林公園の整備や子どもが遊べる公園の整備、図書館を備えた多目的文化ホールなどもある。
その中でも、鉄道公園化構想は優先順位が高いということか。
A.その通りである。
30万人はハードルが高いのでは
Q.高千穂町の年間の観光入込客数が150万人で、最低でもそのうちの20%の30万人の集客を見込んでいるとのことだが、ハードルが高いのではないか。
A.今から先は体験型の観光というのが必要だというふうに思っている。
高千穂鉄橋を景色も見ながら、そして私の構想としては、たまには張り出したところとか、下が見えるところとかも当然つくりたいと思っている。
これから先の体験型観光の魅力ということを考えたとき、30万人の集客を見込んでいる。
徐々に整備してはどうか
Q.歩道だけを先につくり、どのくらいの集客数があるのか見られてから進めらてもいいのでは。
A.塗装と歩道の整備は一度にする必要がある。
耐震補強については、阪神淡路大震災レベルを想定した場合必要になるというものになる。
熊本地震でも鉄橋に何ら影響がなかったことを考えると、後でもよいのではないかという考えもできる。
ただ、駐車場や駐車場へのアクセス道については必要かと思う。
まだまだ検討事項はたくさん 慎重な検討を
以上が9月議会における、鉄道公園化構想についての質疑と答弁のまとめです。
まだまだ詳細に検討しなければならない事項はたくさんあると思います。
今後の慎重な検討をお願いして質疑を終わりました。
では、今回はこれで失礼します。