板倉てつお 公式ブログ

今こそ棚田地域の振興を考えよう

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こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。

いきなりですが、皆さんは棚田好きですか?
私は棚田の風景好きです。
写真は高千穂の棚田ですが、こんな風景が身近にあるって、私にとっては最高です。

なぜ、棚田の話から始めたのかというと、昨年に「棚田地域振興法」という法律ができて、高千穂町も無関係ではないからです。
というわけで、今日は「棚田地域振興法」関連について、まとめたいと思います。

 

棚田地域振興法とは

棚田地域の持続的発展及び国民生活の安定向上に寄与することを目的に、令和1年に制定・施行されました。
棚田を「国民的財産」とし、棚田地域の振興は国の責務であるとしています。

 


棚田地域振興法について(内閣府地方創生事務局)」より引用

 

県が申請し国が指定棚田地域を指定

どのような手順で棚田地域の振興を図るのかというと、大雑把にまとめると次のようになるようです。
(※誤りがあればご指摘ください)

都道府県が「棚田地域振興計画」を策定し、国に「指定棚田地域案」を申請

国が「指定棚田地域」を決定

市町村が「指定棚田地域振興協議会」を組織し、「指定棚田地域振興活動計画」を作成し国に提出

認定されると税制、財政面の支援を受けられる

 

高千穂町全域4地域が指定棚田に

2019年11月に宮崎県が策定した「宮崎県棚田地域振興計画」がこちら

その結果、高千穂町全域にあたる4地域が指定棚田地域に認定されました。
高千穂町以外にも、高千穂郷・椎葉山地域として世界農業遺産に認定されている5町村はすべて認定されました。
宮崎県全体では13地域が指定棚田地域に認定されました。

ちなみに、国が指定した地域一覧がこちら
下記は関連新聞記事です。


宮崎日日新聞(2019年12月28日)より

 

国は指定棚田地域の振興に資する事業を取りまとめて公表

棚田地域への振興策は今までなかったわけではなく、すでに6省庁43事業にわたり、行われています。


棚田地域振興法について(内閣府地方創生事務局)」より引用

しかし、問題は、当事者である棚田地域の人が、そうした事業を知らないことです。
そのため、棚田地域振興法において、「国は~指定棚田地域の振興に資する事業を取りまとめて公表する」と定められています。
また、仮に知っていたとしても、事業ごとに別々の省庁とのやり取りが必要になります。
そうなると、担当省庁とのやりとりのコストが増大します。

そうした課題を解消するべく、「棚田地域振興コンシェルジュ」を選任し、内閣府に相談窓口を設置することによって、一元的・継続的な情報提供、助言等を実施できる体制を構築するとしています。

このあたりは、下記の新聞記事がわかりやすいと思います。


※宮崎日日新聞(2019年6月14日)

 

今こそ棚田地域の振興を考えよう

以下、ここまでまとめた私の所感です。

ここまで説明した通り、国による法整備、都道府県における大枠の計画の策定ができました。
今後、市町村レベルで、「指定棚田地域振興活動計画」の策定が求められます。

ここで肝心なのは、計画をつくる目的が、様々な助成を受けることではなく、実際に棚田地域が振興するにはどうすればいいのかを考えることだと思います。
行政の様々な支援や補助金は、あくまで目的達成のための手段です。
支援や補助金を受けることが目的になっては本末転倒です。

目的を見失うことなく、よりよい活動計画を策定することが必要だと思いました。

それでは、今回はこれで失礼します。

 

 

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