板倉てつお 公式ブログ

政治家の育休 あり?なし?

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こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。

小泉進次郎環境相が「育児休業」を取得する意向だというニュースがありました。
賛否があるようですが、私は賛成です。
ちなみに、私は小泉進次郎さんの支持者ではありませんが、政治家も育児休業をとれるべきだという点において賛成ということです。


宮崎日日新聞(2020年1月16日より)

というわけで、今回は、政治家の育休事情についてまとめたいと思います。

 

男性の育児休業取得率 国の目標は13%

まず、国として男性の育児休暇を増やそうとしていることをまとめます。

「男女共同参画社会」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
簡単にいうと、「男女が均等に責任を担い、活躍する社会」ということでいいと思います。

国は、平成11年に「男女共同参画社会基本法」をつくり、男女共同参画社会の実現に向けた取り組みを続けています。
つまり、育児についても男女で共同で行う社会をつくりましょうということで、男性の育児参加を促進するため、男性の育児休業取得率について、13%という数値目標が設定されています。

一方、現状はどうかというと、男女共同参画局作成の資料(第4次男女共同参画基本計画における成果目標の動向)によると、平成29年度の時点での国家公務員の男性の育児休業取得率は10%、地方公務員は4.4%、民間企業は5.14%と、目標にはまだまだ遠いのが実情のようです。

 

 

男性地方議員の育休取得は4%

では、私も該当する男性地方議員の育休取得状況がどうなのかというと、約4%だそうです。


宮崎日日新聞2020年1月4日より

 

ちなみに、私事ですが、1年ちょっと前に子どもができたのですが、私は育休をとりませんでした。

新聞記事にあるとおり、育休を取得した理由は全員が「出産の立ち合い」となっています。
私の場合は、公務と出産が重ならなかったため、運がよかったです。

とはいえ、新聞記事の主張としては、産後の妻のケアや子どもの世話を考えるなら、出産に立ち会うだけでなく、十分な休みが必要なのではないかということですね。

ちなみに国は、男性公務員の育休は原則1ヶ月超を目指しています。


宮崎日日新聞2019年10月29日より

 

地方議員の長期育休は個々の検討が必要

男性公務員の育休を1ヶ月超とするなら、地方議員も1ヶ月以上の長期育休があったほうがいいのかというと、個人的には疑問があります。

というのも、公務員はフルタイムで職場に拘束されますが、地方議員、少なくとも私はフルタイムで議会の公務に拘束されることはありません。

日時が定められる定例会や委員会、その他行事は別として、それ以外の日常的な調査や政策研究は自分のペースで仕事ができます。

ですので、私のケースを振り返ると、長期育休ととらずとも、育児と公務の両立はできていたと思います。
(妻がどう考えていたのか知りませんが、、、)

しかし、全ての地方議員が私と同じ状況というわけではないと思います。
それぞれの議会や議員で状況は違うでしょうから、個々で判断が必要だと思います。

 

問題は規定がないこと

問題は、育休を取ろうと思っても、制度的にとれない議会が多いということです。
上記の新聞記事によると、育休規定がある議会は88議会で、全体のたった5%しかありません。

今日(2019年1月16日)現在の高千穂町議会会議規則にも育休の規定はありません。

高千穂町議会会議規則の中を読むと、

(欠席の届出)

第2条 議員は、事故のため出席できないときは、その理由を付け、当日の開議時刻までに議長に届け出なければならない。

2 議員が出産のため出席できないときは、日数を定めて、あらかじめ議長に欠席届けを提出することができる。

とあるだけです。
「事故」と「出産」はありますが、「育児」や「介護」などについては規定がありません。

 

「息子の結婚式で欠席」が認められなかった丹波篠山市議会

この会議規則というのは、それぞれの自治体の議会において取り決めているのですが、実際にはどこも似たり寄ったりの規則となっています。

欠席の規定が、事故と出産しかないことは、いろいろ問題があるだろうと思い調べてみると、こんなケースがありました。

詳細はリンク記事を読んでいただくとして、簡単にまとめます。

ある議員が息子の結婚式と公務が重なったため、事前に欠席届を提出しようとしました。

しかし、会議規則において欠席が認められているのが事故と出産のみで、結婚式に参加することは欠席の理由にできないとして、欠席届が受理されませんでした。

しかたなくその議員は、公務を無断欠席したが、その後に厳重注意されたとのこと。

 

<関連リンク>
市議「息子の結婚式で欠席したい」 不受理で委員会無断欠席に 規則の基準に合わず

 

政治家も人 休むべき時には休めるように

ここで、最初の小泉進次郎さんの育休取得に私は賛成というところに戻ります。

なぜ私が賛成なのかというと、政治家だって、政治家の前に1人の人間なわけで、育児や介護、我が子の結婚式など、休むべき時は休めるようじゃないとと思うからです。

ただ、小泉さんの育休についての世間の反応を見ると、政治家の育休には賛否がわかれているのも事実です。

この件についての感想があれば、気軽にお寄せいただければ幸いです。

今回はこれで失礼します。

 

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