こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
本日(2020年1月24日)、議会だよりたかちほNo.105 が発行です。
公民館を通じて配布されますので、目を通していただければと思います。
なお、公民館未加入の方も、役場4Fの議会事務局に取りに来ていただければ、無料でお渡しできますので、ぜひお気軽にお越しください。
さて、今回の議会だよりで真っ先にお伝えしているのが、ふるさと納税が大幅に減少する見込みだという記事です。
つまり、高千穂町の収入が、減少しそうだということです。
今回はこの件についてまとめたいと思います。
当初の2億円のから1億2,000万円に下方修正
毎年、年度の初めに歳入、歳出の予算を組みます。
予算の段階で、ある程度正確に金額が分かっているものもあれば、まだわからないものもあります。
例えば、歳入の町税などについては、人口などから、おおよその金額が予想できます。
しかし、同じ歳入でもふるさと納税については、やってみなければ、どれだけの寄付金を集められるかわかりません。
そのため、歳入のふるさと納税の予算は、あくまで目標値ということになります。
そして、2019年度のふるさと納税の当初の目標は、2億円としていました。
しかし、歳入のふるさと納税の金額が目標の2億円には届かないことが予想されたため、12月議会で、8,000万円減額し1億2,000万円とする補正予算案が提出され、可決しています。
ふるさと納税が下降傾向の高千穂町
高千穂町におけるふるさと納税の寄付額の推移をみてみると、平成29年度をピークに下降傾向にあることがわかります。
そして、今年度(令和元年度)は、大きく下がりそうです。
一方、全国的な推移を見てみると、平成30年度までしかわかりませんが、右肩上がりとなっています。
ふるさと納税に関する現況調査結果(令和元年度実施:自治税務局市町村税課)より
もちろんこの中には、返礼品に総務省が通達していた還元率30%を大きく上回る金額のアマゾンギフト券を用意し、多額の寄付金を集めた大阪府泉佐野市や静岡県小山町、佐賀県みやき町などがあり、令和元年度からこれらが法的に禁止されているため、今年度以降、寄付額がどうなるかわかりません。
しかし、ギフト券などを扱わない都城市や都農町でも右肩上がりとなっており、高千穂町が乗り遅れているように感じます。
実際に町に残るお金は半分以下
ふるさと納税で寄付を受けたお金は、全てが町の収入になるわけではありません。
返礼品の購入や送料、その他の経費(ポータルサイト手数料など)がかかるからです。
そのため、実際に町の収入になるのは、半分以下です。
(※令和元年6月より、返礼品や送料など含めた全体の経費を5割以内にするようにというルールに変わりました)
例えば平成30年度では1億6,640万円の寄付を集めていますが、実際に町に残るのは、7000万円ほどです。
ふるさと納税で寄付されたお金は何に使ってるの
高千穂町がふるさと納税で寄付頂いたお金を何に使っているのかというと、平成30年度については、下記のとおりです。
高千穂町財政課作成資料より
それぞれ簡単に事業内容を説明します。
・都市再生整備計画事業
三田井、岩戸地区において、歩道の整備などをしています。
・環境配慮型路網機能強化事業(祖母山林道)
祖母山林道を整備しています。
・世界農業遺産推進事業
世界農業遺産について町内外への啓発などをしています。
・ユネスコエコパーク推進事業
ユネスコエコパークについての看板作成などをしています。
・天岩戸保育園管理運営事業
立て替えを含めた、天岩戸保育園の運営管理です。
・子ども医療費助成事業
15歳までの子どもの医療費を全額を町が負担しています。
・学校管理費
平成30年度については、上野小学校のエアコン設置の費用に充てました。
ふるさと納税減で、行政サービスが低下?
このように、すでに高千穂町で実施されている行政サービスの財源の一部に、ふるさと納税は使われています。
もし、ふるさと納税による高千穂町への寄付金額が今以上に下がれば、行政サービスの財源が不足する事態になりかねません。
それでも行政サービスを維持しようと思うと、新たな借金をするしかなくなります。
そうなると、今の世代にとっては良くても、将来世代に大きな負担を強いることになります。
ふるさと納税は数少ない伸びしろのある財源のため、今後の対策が求められます。
議会からはふるさと納税専属の職員を要望
私も含め、議会が問題視しているのは、高千穂町のふるさと納税担当業務に専任の職員がいないという点です。
これについては、以前から執行部に要望していました。
前回の12月議会でも、再度、質疑しています。
財政的な観点や、国の方針としても、職員数を減らしていかなければならない状況があるのですが、ふるさと納税については、専属職員を配置してほしいと強く思います。
まずは、4月の人事異動に注目したいと思います。
では、今回はこれで失礼します。