こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
令和元年12月議会では、私を含めた議員報酬や、町長・職員の給与などについて、人事院勧告に基づく増額改定がありました。
6年連続の増額改定となります。
この件について、詳細をまとめます。
人事院勧告とは
まずは人事院勧告について、おさらいです。
公務員は、通常の労働者がもつ団結権、団体交渉権、団体行動権が厳しく制限されています。
公務員はストライキをして給与の引き上げを求めることができないということです。
その代わりにあるのが、人事院という中立の機関です。
人事院が何をするのかというと、民間と国家公務員の給与を比較し、同一の水準にするように、国会と内閣に勧告します。
令和元年度について民間と国家公務員を比較した結果、民間が若干上回っていたため、増額の勧告となりました。
今回の内容とあまり関係ないですが、国家公務員の定年を段階的に65歳まで引き上げるよう昨年に続いて要請しているとのこと。
今のところ、こちらについて具体的な動きは耳にしていませんが、数年以内には定年の年齢も変わっていきそうですね。
もう少し詳しく知りたいという方は、下記の人事院のホームぺージの資料をご覧ください。
<参考リンク>
給与勧告の仕組みと本年の勧告のポイント
人事院勧告には従わないといけないの?
次に、人事院勧告には従う必要があるのか、というそもそもの話をしたいと思います。
結論から言うと、自治ですので、自分達で人事院勧告に従うか従わないかを決めることができます。
そのため、数は多くはありませんが、人事院勧告に基づく改正案を否決している議会もあります。
ただ、これはあくまで私個人の考えですが、人事院の調査は可能な限りで最高レベルの調査がなされていると思います。
その人事院の調査結果からなされる勧告を否定するには、それ以上の根拠を示す必要があると思います。
そうでなければ、「上げる必要はない」「下げるべきだ」といった感情論でしか議論ができません。
私は人事院勧告を否定するだけの根拠を持ち合わせていませんし、感情論の議論はするべきではないと考えています。
ちなみに、私は以前、議員報酬の増額改定に反対したことがありますが、その際は人事院勧告と関係のない増額だったため、反対しました。
今回の人事院勧告に基づく改正案は、賛成全員で可決しています。
議員、町三役(町長・副町長・教育長)の期末手当増額
私を含めた議員、町三役については、期末手当が0.05月増額となりました。
0.05月の増額が、具体的にどれだけなのかをまとめたのが、下記の表です。
職員は期末手当のほか、初任給、住居手当などが増額
職員については、3点の変更があります。
まず、議員、町三役と同様に期末手当が0.05月増額となりました。
それ以外では、月給が平均で0.1%増額となりました。
増額の幅は世代により異なり、初任給が増額になるなど、若い職員ほど増額となりました。
具体的には、大卒程度の初任給が1500円、高卒程度の初任給が2000円の増額となりました。
また、住居手当について、下限を12,000円から16,000円に、上限を27,000円から28,000円に、それぞれ増額となりました。
住宅手当の計算方法
ところで、住宅手当がどのように計算されるのか、私も知りませんでしたのでまとめたいと思います。
計算式は、以下のようになります。
・家賃が27,000円以下の場合
(家賃-16,000円)/2+11,000円
・家賃が27,001円以上の場合
(家賃-27,000円)/2+11,000円
例えば、家賃が26,000円としたら
(26,000-16,000)/2+11,000=16,000円
あるいは、家賃が61,000円としたら
(61,000-27,000)/2+11,000=28000円
となるのだそうです。
こうしたお金にまつわるところは、賛否も含め、多くの方に関心をもってもらえるかなと思います。
ぜひお気軽にご意見をお聞かせいただければと思います。
それでは、今回はこれで失礼します。