こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
政府が進めている働き方改革の一環で、来年度より運用がはじまる会計年度任用職員制度について、まとめたいと思います。
増え続ける地方公務員の臨時・非常勤
まずは、なぜ会計年度任用職員制度として改正されるに至ったのか、その背景についてまとめます。
こちらをご覧ください。
総務省が実施した「地方公務員の臨時・非常勤職員に関する実態調査」の結果の一部です。
見ての通り、地方自治体において、臨時・非常勤職員が増加傾向にあります。
なぜ増加傾向にあるのかというと、国から地方自治体へ分配される地方交付税は減少傾向です。
一方、高齢化の進行などにより、自治体の業務は増加しています。
収入は減少しているにもかかわらず、仕事は増えているという現状に対応するべく、全国的に臨時・非常勤の地方公務員が増加していると思われます。
正規職員との格差
もともとは、短時間・補助的業務が想定されていた臨時・非常勤職員ですが、実情として、正職員と同様の業務をしていることも多々あります。
しかし、待遇面では格差があり、正職員は昇給や手当がある一方、臨時・非常勤職員にはありません。
こうした格差は、官製ワーキングプアとも揶揄されています。
また、地方公務員法において、臨時・非常勤職員の位置づけが不明確で、それぞれの自治体で異なる運用がされているという問題もありました。
会計年度任用職員とは
正職員との格差の是正と、運用の統一のため、国は地方自治法および地方公務員法を改正し、令和2年4月1日から会計年度任用職員制度がはじまることとなりました。
現在、臨時・非常勤職員として働いている人の多くは、会計年度任用職員となります。
いろいろな変更点はありますが、わかりやすい例が、新聞記事にもあるとおり、ボーナス(期末手当)なども支給されるという点です。
高千穂町では4,445万円の支出増
今現在、高千穂町にどれだけの臨時・非常勤職員がいるのかというと、本庁に171名、町病院に55名、合計で226名となっているそうです。
令和2年度から、会計年度任用職員となり、期末手当や通勤手当を支給することで、どれだけ支出が増えるのかというと、本庁2,855万円、町病院1,590万円、合計で4,445万円と見積もられています。
支出増分の国からの財政措置がある
支出が増えるとなると、その財源はどうするのかという問題が出てきます。
これについては、国も配慮してくれたようで、法改正に伴う増額分は、地方交付税に上乗せされるそうです。
しかし、会計年度任用職員の実際の運用については、各自治体まかせとなっているため、交付税措置された金額と、実際の支出増の金額が合致するかどうかは不明とのこと。
ボーナス支給のかわりに月給を下げる自治体も
一部の自治体では、人件費の増加を抑えるため、ボーナスを支給するかわりに月給を下げたり、勤務時間を短くすることで調整するところもあるようです。
この件について、議場において富髙友子議員から以下の通り質疑がありました。
Q.一部の自治体ではボーナスを支給するかわりに月給を下げることを検討している自治体があるが、高千穂町ではどうか?
A.そのようなことは考えていない。これまでの待遇にボーナスなどがプラスされる給与の設定を考えている。
町長の答弁の限りでは、高千穂町では本来の目的通りに、会計年度任用職員制度が運用されそうです。
もちろん今後も議会として、しっかりとチェックしたいと思います。
では、今回はこれで失礼します。