板倉てつお 公式ブログ

コロナで町税減少 令和3年度の歳入を解説

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こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。

以前のブログで、令和3年度の歳出について解説しました。
今回は、歳入について解説したいと思います。

 

コロナで町税減少

令和3年度当初予算の歳入の特徴として、新型コロナウイルスの影響で、町税が大きく減少していることが上げられます。


議会だよりたかちほ No.110より(一部加工)

昨年度比で1億1143万円減少し、9億563万円と見込まれています。
減少率でいうと、11%にものぼります。

私は手元に平成14年からの高千穂町の決算のデータをもっていますが、その中でも令和3年度の町税は、最低の金額になっています。

 

基金からの繰入金が実質ゼロ

次にあげられるのが、近年では平成26年から基金からの繰入金が1億円以上となっていましたが、令和3年度は756万円と最小限にとどまっています。

議会だよりの緑色の折れ線グラフが基金からの繰入金の推移ですが、これまでよりもいかに少ないかがわかると思います。


議会だよりたかちほ No.110より(一部加工)

 

なお、この756万円は、令和2年度に実施した新型コロナウイルス対策の無利子の融資事業について、町が負担するべきものです。

この財源は、令和2年度に国からコロナ対策のための財源として交付された臨時交付金で、令和3年度以降で支出するために、いったん基金としてとっていたものです。

ですので、この756万円は取り崩すべき基金であり、平成26年以降つづいていた、「歳入不足を補うための基金取り崩し」は、実質ゼロということです。

 

これ以上減らせぬ町の貯金

なぜ基金からの繰入金が実質ゼロなのかというと、ここ数年で基金の残高は減少を続けていたのですが、「非常時の備えも必要なため、これ以上基金を減らすことはできない」からです。

議会だよりの縦の棒グラフが、町の貯金である財政調整基金の残高です。


議会だよりたかちほ No.110より(一部加工)

 

平成26年の当初には約19億円ありましたが、グラフのように減少しつづけ、令和3年度の当初には11億円台になっています。

以前の町長の発言でも、「10億円ぐらいは持っておく必要があると考えている」というものがありました。

こうした基金は、例えば、令和3年の1月9日から2月7日まで宮崎県独自の緊急事態宣言が出された際、時短要請の協力金を拠出する必要がありましたが、これを基金から出しました。

基金がなくなれば、そうした必要性の高い緊急の支出ができなくなります。
そのため、一定額以上は、持っておく必要があります。

 

 

町の借金が増加

町税が減少し、基金からの繰入もしないとなると、当然、歳入不足になります。
それを補うように、町の借金である町債が増加しています。

議会だよりの赤色の折れ線グラフが町債の推移です。


議会だよりたかちほ No.110より(一部加工)

 

令和2年度が12億円以上と、大きな金額となっており、令和3年度は昨年度よりも減少しているじゃないかと思われるかもしれませんので補足説明します。

令和2年度の町債が大きくなっているのは、防災行政無線の更新という大きな事業をしたためです。
防災行政無線の更新費用が、当初予算では5億7000万円ほどで、その財源は全額町債でした。
ですので、令和2年度の町債について、防災行政無線をのぞくと7億円程となります。

一方、令和3年度は防災行政無線の更新のような大きな事業はないものの、町債が8億9925万円となっています。
いかに、令和3年度の町債の金額が、近年の中では大きな金額になっているのかがわかるかと思います。

 

 

町長の考えは

一連のことについて町長の考えは、議会だよりで紹介した通り、「過度に町債に頼りすぎることなく活用する」というものですが、少し補足したいと思います。

なぜ、町債を活用するのかについて
「道路などは将来にわたって使用するべきものなので、ある程度、将来にわたって負担していただくことも必要と考えている。」
と、説明しています。

また、支出を減らし、歳入を増やす取り組みについて、以下のように説明しています。

「支出を減らすことの取り組みのひとつとして、毎年3億円程度を負担している町立病院の運営について、西臼杵3町立病院の統合再編により経営改善をすることで、支出を減らしたい。」

「歳入を増やす取り組みのひとつとしては、まちづくり公社を設立し、民間の力を生かし、ふるさと納税をのばしていきたい。」

※上記の町長のコメントは、正式な会議録ではなく、わかりやすいように編集しています。

 

まだまだ財政改革は必要

町長の考えについては、基本的には支持します。
やはり、必要な支出はありますし、その手段として、借金をすることも必要だと思います。

しかし、このままの状態が続けば続くほど、借金が増加し続け、財政状況は厳しくなる一方です。

今後もより一層の財政改革を期待したいと思います。

では、今回はこれで失礼します。

 

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