こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
今回は、今年度の主要事業のひとつである鉄道公園化整備事業について、まとめたいと思います。
これまでの経過まとめ
まずは、これまでの経過をまとめたいと思います。
・令和元年
9月議会において、町長が「高千穂鉄道跡地公園化構想」を発表。
構想の概要は、以下の通り。
(1)高千穂鉄橋を歩いて渡れる施設に改修する
(2)鉄橋周辺に駐車場や休憩所などを設ける
(3)概算の事業費が約10億円
(4)年間30万人の来場と1億3000万円の売り上げを見込む
・令和2年
漠然としていた構想について、整備するうえでの懸念事項と課題解決のための方針が、「高千穂鉄道跡地公園化基本構想」として取りまとめられました。
基本構想を解説
現在、高千穂町のホームぺージで、高千穂鉄道跡地公園化構想の概要が公表されています。
<関連リンク>
高千穂鉄道跡地公園化基本構想について
これだけでは少しわかりにくいので、補足の解説をします。
基本構想では、以下の通り、5ヶ所の整備が検討されています。
(1)高千穂鉄橋
整備内容は鉄橋の歩廊化。
鉄橋のどこに歩廊を設置するのかについて、「トラス内部(鉄橋下部)」、「軌道敷(レール)の両側」、「トラス内部+軌道敷の両側」の3案あり。
基本構想においては、「トラス内部」の案が最もよいのではとされています。
新聞記事では「鉄橋下部に整備することにしている」と書かれていますが、まだ決定したわけではありません。
(2)県道7号エリア
整備内容は駐車場と交通拠点。
約200台が駐車できるくらいの駐車場が検討されている。
交通拠点としては、ふれあいバスの停留所の設置などが検討されています。
なぜ約200台なのかというと、令和元年9月に、町長が最初に構想を発表した際の、「年間30万人の来場」を見込むという発言からの算出です。
そのため、今後の詳細な需要予測から、駐車場の規模は再度検討されることとなっています。
(3)天岩戸駅エリア
整備内容は、地域交流施設・物販施設・飲食施設。
地域交流施設においては、鉄道公園入場のためのチケット販売や、観光案内、高千穂鉄橋資料展示などが検討されています。
(4)大平エリア
整備内容は、駐車場・自然共生型アスレチック・多目的広場・物販施設・飲食施設。
駐車場の規模は約100台分。
自然共生型アスレチックとは、ネット型の遊具や、ジップラインなどのアドベンチャー型、タワー型の遊具などが検討されています。
駐車場の規模については、県道7号エリアと同様、今後さらに詳細な検討がされることとなっています。
アスレチックについては下の写真のようなものです。
(5)大平山トンネル
整備内容はプロジェクションマッピングを活用したアトラクション。
ちなみに、大平山トンネルは約3㎞あるが、そのうち500mが高千穂町。
令和3年度は基本計画および基本設計
令和3年度は、上記の「高千穂鉄道跡地公園化基本構想」をもとに、どれくらいの利用客がきて、どれくらいの売り上げ・利益が見込めるのかといった、需要予測を含めた「基本計画」を策定することになっています。
また、駐車場やトイレをどこにつくるのかといった、基本設計についても取り組みます。
予算としては、合計で4727万円です。
財源は、1/2が国の補助金で、残りが町の自主財源となっています。
予算審査における質疑応答
当初予算の審議は、議場とは別に、予算審査特別委員会という会議を開催し、審査しています。
委員会における鉄道公園化事業の質疑応答を簡単にまとめます。
Q.基本計画と基本設計をなぜ一緒に発注するのか。まずは基本計画を策定し、その内容を議会が判断したうえで、基本設計に取り組むべきでは。
A.基本計画と基本設計は同じような内容という認識である。また、一緒に発注したほうが費用を抑えられる。もちろん、中間で議会とも情報共有はする。
Q.基本計画と基本設計策定において、収支のシミュレーションをするのか。
A.基本計画において需要予測も行う。議会にも示し、理解を得られたら詳細設計へと進む。
Q.詳細設計へ進むのはいつ頃か。
A.令和4年度以降。
Q.建設の財源は。
A.補助金や町債だけでなく、民間資金の導入も検討している。例えば、鉄橋の歩廊化、駐車場、進入路は町が整備し、その他については、民間事業者を募って建設していただき、その管理を委託するなども検討している。
Q.必ず黒字になるという予測が出ないと議会も承認しかねるので、慎重に進めてほしい。
A.最もお金がかかるのが鉄橋の歩廊化である。高千穂鉄橋は町の財産として守っていくという覚悟が必要だと思う。
(※正式な会議録ではありません。発言内容をもとに、よりわかりやすい表現に変更し書かせていただいています。また、私が質疑したものもあれば、他の議員の質疑もあります。)
今後も注視する必要あり
上記のやりとりにあるとおり、まずは基本計画における需要予測がどのような結果になるのかを注視する必要があります。
発表当初の、「年間30万人の来場と1億3000万円の売り上げ」というものが可能なのかどうか。
また、売り上げが上がったとしても、それ以上の経費がかかれば意味がありません。
総事業費が10億円を超える超大型の事業ということで、今後も注視する必要があります。
新たな動きがあれば、このブログでも発信していきたいと思っています。
では、今回はこれで失礼します。