こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
前回の6月議会にて、令和3年度の一般会計の歳入に、高千穂町として初めて、企業版ふるさと納税の制度による寄付金が計上されました。
そこで今回は、企業版ふるさと納税について、まとめたいと思います。
企業版ふるさと納税とは
まずは、企業版ふるさと納税の制度をまとめます。
企業版ふるさと納税は、地方自治体が行う地方創生の取り組みに対して、企業が寄付をした際、その企業の法人関係税を最大で9割控除するというものです。
寄付金の使い道は
寄付金の使い道については何でもよいわけではなく、各地自体で作成している「地域再生計画」において、計画されている事業に対して寄付することができます。
高千穂町の地域再生計画は以下のリンクから見ることができます。
<関連リンク>
高千穂町地域再生計画
今回の寄付金については、記事にあるとおり、企業様の希望により、高千穂町が現在進めている高千穂鉄道跡地公園化事業に使われるということです。
市場規模はまだ小さい企業版ふるさと納税
一般的な個人が自治体に寄付するふるさと納税は平成20年(2008年)から始まったのに対し、企業版ふるさと納税は、平成28年(2016年)にできた比較的新しい制度です。
そのためもあると思いますが、一般的なふるさと納税の全国の受入額は令和元年度(2019年度)で、4,875億円であるのに対し、企業版ふるさと納税は同年度で33億円と、大きく差が開いています。
夕張市の企業版ふるさと納税がすごい
上記のように、一般のふるさと納税と比べると、企業版ふるさと納税は、市場規模はまだまだ小さいです。
しかし、興味深いのが、一般のふるさと納税と企業版ふるさと納税に、まったく相関がないことです。
つまり、一般のふるさと納税で寄付を集めていたとしても、企業版ふるさと納税では寄付を集めることができていない自治体があったり、またその逆もしかりです。
そんな中、企業版ふるさと納税でつねに成果を出している自治体が北海道の夕張市です。
制度ができた平成28年以降、企業版ふるさと納税の市町村別ランキングで常に上位に入っています。
令和元年度には11億円を集めています。先述しましたが、同年度の全国の企業版ふるさと納税の総計が33億円ですので、全体の33%を占めていることになります。
なぜ、夕張市はこんなにも企業版ふるさと納税を集めているのか。
その答えは、市長自らのトップセールスだそうです。
市長自ら自身のビジョンを語り、それに共感した企業が寄付をしているのだそうです。
そのあたりをわかりやすく解説してくれている記事があったのでリンクをつけておきます。
<参考記事>
企業版ふるさと納税と首長の力量
ホームぺージの掲載すらなかった高千穂町
では、高千穂町の企業版ふるさと納税における取り組みはというと、6月定例会時点では、町のホームぺージでの案内すらありませんでした。
だから、冒頭の議会だよりにあるような質疑がでたわけです。
ちなみに、この質疑は私がしたのですが、質疑したからなのか、今では、企業版ふるさと納税の案内が、町ホームぺージに掲載されています。
<関連リンク>
企業版ふるさと納税(高千穂町公式ホームぺージ)
続報 コスモス薬品様から高千穂町に1260万円
6月議会が閉会した後、新たな企業版ふるさと納税の寄付があったことが報じられました。
新聞記事にあるとおり、ドラッグストアのコスモスを運営する株式会社コスモス薬品様より宮崎県北7市町村の森林保護事業に、合計で1億7249万円(そのうち高千穂町は1260万円)の寄付していただきました。
財政の厳しい高千穂町にとっては、ありがたい限りです。
本当にありがとうございました。
こうした寄付が今後、増えることを期待するとともに、高千穂町としては企業が寄付したいと思えるような魅力的な事業に取り組まなければいけませんね。
では、今回はこれで失礼します。