板倉てつお 公式ブログ

令和2年度 高千穂町の台所事情(決算について)

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こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。

早いもので、もうすぐ令和3年が終わりですね。
ですが、ブログの更新が遅く、まだ令和2年度の決算について、まとめられていませんでした。

ということで、今回は令和2年度の決算について、まとめたいと思います。

令和2年度決算概要

自治体には複数の会計(お金の出し入れの記録)があります。

基本的な行政サービスを行うための会計である「一般会計」のほかに、国民健康保険や水道など、生活には欠かせない特定目的のための会計である「特別会計」、や「企業会計」があります。

議会では、ひとつひとつの会計について審議し、決算に問題がなければ、議会として決算を「認定」します。

結論として、すべての会計を認定しました。

下の表に、それぞれの会計についての決算をまとめています。
また、表の下には町の借金、貯金の状況も掲載していますので、ご確認ください。

令和2年度一般会計の収支状況

いろいろな会計がありますが、中でも最も時間をかけて審査するのが一般会計です。

議会だよりでは、単純な歳入・歳出だけではなく、前年度までの収支の累積を除外した「単年度収支」や、さらに実質的な黒字・赤字を差し引いた「実質単年度収支」まで掲載しています。

 

議会だよりたかちほNo.112より

見ての通り、実質単年度収支は2億7,972万円の赤字となりました。

また、実質単年度収支は7年連続で赤字となっており、いわゆる貯金である基金を取り崩した財政運営が続いていることがわかります。

一般会計の決算を受けて質疑しました

実質単年度収支が7年連続で赤字という状態は、もちろん好ましいものではありません。
財政改革にとりくみ、黒字化する必要があります。

今後、どのように改革するのかについて、町長に質疑しましたので、簡単にその内容をまとめます。

(正式な会議録ではありません。発言内容をもとに、よりわかりやすい表現に変更し書かせていただいています。)

Q.財政健全化法で定められた基準を下回っているので財政は「健全」との説明があったが、一方で、実質単年度収支の赤字が7年連続となっている。
この状況についての町長の考えは。
A.国の指標では適正とはいえ、楽観視はできない。危機感をもって財政健全化に努めたい。

Q.これまでの町の広報の決算のページを見ると、財政健全化法の基準を下回っているので健全ですという表現にとどまっており、危機感をもって財政健全化に努める必要があるといったことが広報誌には表れていない。
決して楽観はできないという見解も掲載するべきでは。
A.危機感を持たなければならないという部分については、広報にコメントとして添えるよう努めたい。

Q.静岡県の裾野市では、11年間実質単年度収支が赤字となったことを受けて、「財政非常事態」を宣言した。
本町もそうした宣言をして、町民と危機感を共有してはどうか。
A.現時点では財政非常事態というようなレベルまではいっていないと思うが、今後の状況次第では、考える必要はあると思う。

Q.昨年の決算時に、今後の検討課題として、町の直営でしなくともよいものは民間に出すことを検討していくということを発言している。
この1年で、進展はあったか。
A.天岩戸の湯について、地元の人出やっていけるまで経営が改善したらあり得るかなと思う。
光ケーブルの民間委託についても検討を進めたところ、経費の節減につながらない可能性が出てきており、現在も協議中である。

Q.民間でできることは民間にだし、職員数を計画的に減らしていくという発言も昨年にあったが、現状は。
A.今、まちづくり公社の設立の検討を進めている。公社を立ち上げ、道の駅や鬼八の蔵、ふるさと納税などを任せることができないかと考えている。

Q.鉄道公園化構想について、検討が進めらているが、まずは財政健全化が実現できてから、鉄道公園に取り組むべきと思うが。
A.町としても、いかに町のお金を出さずに、民間に投資をしていただいてできないか、ということを検討している。財政健全化は重要な要素であり、きっちりと考慮しながら進めていきたい。

不安が残る水道会計

令和2年度は、まさにコロナの真っただ中の1年でした。
4月には緊急事態宣言が発出され、いつものゴールデンウィークなら観光客であふれかえる高千穂ですが、とても静かなゴールデンウィークだったのを覚えています。

その後、緊急事態宣言は解除され、GoToトラベル事業などがはじまり、観光客がもどってきたものの、年末にかけて陽性者数が増加し、年明けには再度の緊急事態宣言となりました。

こうした1年でしたので、高千穂の湯の休館日も多く、旅館業の利用も少なく、水道事業の収益が、例年に比べて大幅に減少しました。

旅館業はともかく、高千穂の湯は令和2年度末をもって閉館したため、高千穂の湯の閉館の影響は、水道事業会計にとっては、不安材料として今後も残り続けることとなります。

(注:水道事業とは、町中心部の5800人ほどに配水している事業で、その他の地区における簡易水道とは異なります。)

議会だよりたかちほNo.112 より

まとめ

いかがでしたでしょうか。

町の財政は、とっつきにくいものですが、私たちの生活と密接な関りがあるものばかりです。

ぜひ、年に1回の決算のタイミングで、自分が住むまちの財政事情を知っていただければと思います。

では、今回はこれで失礼します。

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