こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
今年も残すところあとわずか。
いかがお過ごしでしょうか?
12月の本会議が12月22日で終わり、休む間もなく議会報づくりでした。
議会で話し合ったことを原稿の形にまとめ、昨日デザイナーに渡し終えたところです。
年明けの1月末には、公民館を通じて配布されるので、ぜひ、読んでください。
今回の議案の中で、おそらく最も関心を引くものの一つが、私たち議員の報酬や、町長・副町長・町職員の給与が一部改正された、ということになるかなと思います。
結論からいいますと、議員報酬や町長・副町長・町職員の給与を上げる議案について、全員賛成で可決しました。
なぜ、このような議案が提出されたのかというと、「民間と公務員の給与を比較した結果、公務員の方が給与が低い傾向にあるので、公務員の給与を上げるように」、といった内容の人事院勧告が出されたことによります。
そもそも、人事院って何をするところなのかということになりますが、その前に、公務員の立場の説明をします。
公務員は、通常の労働者であれば誰しもが普通に持つ、団結権、団体交渉権、団体行動権が厳しく制限されています。
民間企業であれば、ストライキをすることで、給与の引き上げを求めたりできるわけですが、公務員はできません。
その代わり、人事院という中立の機関があるのです。
人事院は、毎年、民間企業と公務員の給与を比較して、公務員の給与が民間企業よりも高ければ給与を下げるように勧告し、民間企業よりも低ければ給与を上げるように勧告します。
そして、今年はというと、民間企業の方が高いという結果になったため、公務員の給与も上げるようにと勧告が出されました。
今回の人事院勧告のポイントはコチラ
給与勧告の仕組みと本年の勧告のポイント
公務員がそもそも大きな組織であるため、人事院が対象としている民間企業も、従業員が50名以上の起業を比較対象としています。
これでは、実際の民間の給与との比較にならないのでは?
となりますが、国税庁が発表しているデータでも、近年、民間給与は右肩上がりとなっています。
「議員や公務員はお金をもらいすぎだ。もっと、下げるべきだ。上げるなんてけしからん」
という意見もあることでしょう。
正直、私も、そうした意見がわからないわけではありません。
ですが、それはあくまで感情論として、「議員や公務員の給料はもっと低くていい」ということだけで、少なくとも今回はそれを裏付ける根拠も何もないのです。
そして私は、根拠のない議論はしたくありません。
少し話はそれますが、近年、ポピュリズムが問題視されています。
ポピュリズムとは、知恵蔵によると
政治に関して理性的に判断する知的な市民よりも、情緒や感情によって態度を決める大衆を重視し、その支持を求める手法あるいはそうした大衆の基盤に立つ運動
とあります。
トランプ大統領の誕生や、イギリスのEU離脱のニュースと共に、ポピュリズムという言葉が広く知られるようになりました。
でも、どちらも、民主的な手続きによる結果のはず。
ポピュリズムと民主主義はどうちがうのか?
この点について、とても分かりやすく解説してくれているページがありました。
ポピュリズムって民主主義と何が違う? 知っておくべき「5つの事」
議員や公務員の給料があがったとなると、条件反射的に批判する社会的風潮があるように思います。
政治家の中には、根拠なく、ただ有権者の受けがいいからという理由で、公務員の人件費削減を公約にし、政治活動をする人もいます。
ですが私は、今回の件だけでなく、何についても、感情的な議論ではなく、論理的な議論ができる議員でありたいと思います。
ちなみに、今回の議決で、議員はボーナスが1万円ほど上がるのですが、新人の私はまだ満額でもらっていないので実感がありません。
半年後を楽しみにするとします。
それでは、今日は、これで失礼します。