こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
すでにご存知の方も多いと思いますが、高千穂神社横にあるドラッグストアのコスモスの外壁やポールサインが新しい色にリニューアルされました。
ちなみに、こちらがリニューアル前。
こちらがリニューアル後。
実は、今回のリニューアルには、高千穂町の行政と深く関係があるのです。
今回の記事では、コスモスのリニューアルと高千穂町の関係についてまとめたいと思います。
外壁塗り替えに300万円の補助
令和4年9月議会の補正予算の中に、景観改善推進事業補助金として300万円の予算が盛り込まれていました。
内容としては、高千穂神社横のドラッグストアコスモスが行う外壁の塗り替えなどの費用について、300万円を補助するというものでした。
なお、300万円のうち100万円については、国から高千穂町への補助で、高千穂町として実際に負担しているのは200万円ということになります。
ちなみにこの国からの補助は、高千穂神社が重要文化財に指定されていることにより、活用できた補助です。
また、コスモスとしては、別途300万円を負担し、外壁の塗り替えなどの費用合計で600万円とのことです。
以前からあった高千穂らしい色を求める声
なぜ、このような予算が組まれたのか、その経緯を、私の知る限りにおいてまとめます。
高千穂神社横のコスモスは、私が高千穂町に来た時にはすでにできていたので聞いただけの話ですが、店ができる際に、コスモスの定番のカラーである緑やピンクは、高千穂神社の横にはなじまない、という声があがったそうです。
エジプトのピラミッドの前にマクドナルドがあることに感じる違和感と同様のものだと思います。
ただ、コスモスとしても、企業のカラーを簡単に変更することはできません。
そのため、通常のコスモスのカラーの店舗となりました。
高千穂町が景観条例を策定
高千穂町としても店舗の色について、高千穂らしい配色(かなり漠然とした表現ですが)を希望したのだと思いますが、その法的根拠がありませんでした。
そうした反省から、高千穂町は2016年に景観条例を策定しました。
これにより、施行後に建設される店舗については、お店の外壁の色などについて、一定の制限をすることができるようになりました。
ただし、条例施行前の建物については、効力はありません。
転機となった企業版ふるさと納税
転機となったのは、コスモスによる企業版ふるさと納税です。
コスモスは高千穂町に、令和3年度に1260万円、令和4年度に824万円もの企業版ふるさと納税の寄附をしてくれました。
寄附していただいたお金をもとに、高千穂町としては、林業振興施策の財源として活用しています。
財源が乏しい高千穂町にとって、この寄付は本当にありがたいです。
町の提案を快諾してくれたコスモス
2年で合計2084万円ものの寄付をしていただいているわけですので、町とコスモスの関係は自ずと近しい関係になります。
このように近しい関係になったうえで、高千穂町にとって主要な観光地であり、重要文化財にも指定されている高千穂神社横のコスモスの外壁などについて、町としても経費の補助をするので、高千穂らしい色に塗り替えることができないかと働きかけたところ、快諾してくれたとのことです。
町としては、国の補助も使えるということも、後押しになりました(先述のとおり、町が補助した300万円のうち100万円は国が負担)。
まとめ
以上のことをまとめると、ここ2年だけで2084万円もの寄付を高千穂町は受けており、そのお返しに、200万円(実際の補助金額は300万円だが、うち100万円は国から)をコスモスに補助することで、以前からの声があった高千穂神社横のコスモスについて、高千穂らしい色になるなら、町にとっては安い出費だといえます。
このように自治体と民間企業が共存共栄していく関係は理想的な関係だと思います。
今後も、このような関係性を多くの企業と築いていきたいものですね。
では、今回はこれで失礼します。