板倉てつお 公式ブログ

宿泊データを活用し観光振興

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。

新聞記事は、令和4年8月31日の宮崎日日新聞の記事です。

ただ、この記事だけできちんと理解できた人は少ないのではないかと思います。正直、私も最初は意味がわかりませんでした。

しかし、その後、9月の補正予算で、この記事に関連した補正予算の説明があり、ようやく理解できました。

今回の記事では、高千穂町と町旅館業組合と鉄道情報システムの連携について、まとめたいと思います。

宿泊予約システム構築など、関連経費608万円

9月の補正予算に、宿泊予約システム構築補助金など、608万円が盛り込まれていました。

この予算が、冒頭の新聞記事にかかる予算になります。

予算の内訳としては、下記のとおりです。
・宿泊予約システム構築補助金 550万円(町から町旅館業組合への補助)
・宿泊データ分析システム構築 55万円
・システム使用料(3ヶ月分)3万3000円

なお、主な財源は、地域の実情にあわせたコロナ対策のために国から交付される臨時交付金で、コロナ後を見すえた観光振興策のための投資という位置づけの事業になります。

事業内容がわかりにくくなっている要因のひとつに、高千穂町、町旅館業組合、鉄道情報システムの3者がいることがあると思います。

まず、高千穂町からの視点でまとめたいと思います。

宿泊情報をアナログからITへ

高千穂町は、毎年、観光統計を作成しており、その中で、宿泊データの取りまとめもしています。

現在、どのようにしているかというと、協力してくださる旅館から、月末にFAXで宿泊データを送ってもらい、手作業で取りまとめているとのこと。

また、宿泊データといっても、何日に何人が泊まったかという簡単なものです。

手作業ということで、町にとっても協力してくださる旅館などにとっても、手間がかかります。

また、これにより得られる情報だけでは、どの地域から、どれくらいの年齢の方が来ているのかなどがわからないため、誘客のターゲットもしぼれないままです。

今回、鉄道情報システムが提供するシステムを導入することで、ITにより、リアルタイムに、どの地域から来たのかや、どういった年代の方がきているのかなど、詳細な宿泊データを取得することができるようになります。

さらに、こうした詳細な宿泊データを分析することで、誘客施策のターゲットを絞ることができるようになります。

例えば、福岡からは60代が多く、東京からは30代が多いということがわかったとするなら、福岡では60第代向けのPR、東京では30代向けのPRをすれば、効果的といえます。

町としては限りある予算を最大限有効に活用するため、ターゲットの絞り込みをしたいというわけです。

町旅館業組合の公式ホームぺージ構築

次に、町旅館業組合としての視点で見てみたいと思います。

現在、町旅館業組合には19の宿泊事業者が加入していすそうです。
宿泊事業者の中には、自社ホームぺージをもっているところもあれば、もっていないところもあります。また、町旅館業組合としてのホームぺージはありません。

そのため現状では、例えばですが、ある旅館が満室になった日があったとして、そのうえで宿泊希望の問い合わせがあっても、その旅館としては断ることしかできません。

しかし、町旅館業組合としてのホームぺージがあり、さらにそこから宿泊予約もできるなら、旅館業組合のホームぺージを紹介することで、地域全体として、宿泊客を受け入れる体制をつくることができます。

また、通常であれば、「じゃらん」や「楽天トラベル」などの大手予約サイトに対し、そこそこの手数料を支払うわけですが、町旅館業組合として宿泊予約もできるホームぺージを構築することで、大手予約サイトへ支払う手数料を減らすことができるというわけです。

事業内容のまとめ

まとめると、以下のようになります。

町としては、
(1)宿泊データをリアルタイムに、詳細に、容易に取得できるようにしたい。
(2)宿泊データの分析から、効果的な誘客につなげたい。

町旅館業組合としては、
(1)旅館業組合の公式ホームぺージを構築し、地域全体で宿泊客の受け入れ体制を構築したい。
(2)大手予約サイトへ支払う手数料を少しでも減らしたい。

ということになります。

そして、それぞれのしたいことを実現してくれるのが、鉄道情報システムというシステム会社になります。

宿泊事業者の利益の最大化を

事業の内容としては以上になりますが、私としては、このシステムを活用して、宿泊事業者の利益を最大化する取り組みができないかということを、9月議会で提言しました。

高千穂町は、コロナ前だと年間に約140万人の観光客が訪れており、県内の主要な観光地のひとつではありますが、観光関連で仕事をされる方からは、高千穂の観光は繁閑の差が大きいという声をよく聞きます。

ただ、私が思うに、繁閑の差を解消することは非常に難しいと思います。

では、あとできることといえば、繁忙期に大きく稼ぐ、ということになるかなと思います。具体的に宿泊事業者についていうなら、繁忙期の宿泊料金をこれまでよりも上げるということです。

今回のシステム構築により、町旅館業組合の19の事業者は、それぞれの宿泊予約状況も共有できるそうです。
つまり、町全体で宿泊予約が多い日があるなら、まだ予約が入っていない部屋について、多少、宿泊料金を上げても問題ないのではないかという判断もできると思います。

せっかくのシステムですので、最大限に活用し、宿泊事業者の利益の最大化を目指してほしいと思います。

では、今回はこれで失礼します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*