こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
前回のブログでは、高千穂町の令和3年度の各会計の決算について、概要をまとめました。
自分が住むまちの財政状況について知ることは大切とはいうものの、「億」単位の数値が並んでおり、正直とっつきにくいものです。
しかし、基本的には家計と同じです。
今回の記事では、会計の中でももっとも重要な「一般会計」について、数字を1/1000にして、家計に例えて解説したいと思います。
コロナ対策で親への依存が高まった収入
まずは収入を見てみます。
年間の収入は1020万円ありまが、そのうち732万円が、親からの仕送り(国や県からのお金)です。
令和元年度の親からの仕送りは602万円でしたが、2年度は790万円、3年度732万円と大幅に増額された状況が続いています。これはコロナ対策で、主に国からのお金が増えたためです。
本業の稼ぎ(町税)は、コロナの影響で、大きく下がるのではないかと予想されていましたが、こちらはほぼ前年度並みとなりました。
銀行からの借入(町債)が、元年度は57万円でしたが、2年度は79万円、3年度は84万円と増加傾向にあります。これは主に、防災無線を買い替えるためのものです。
貯金の引き出し(繰入金)は、近年は20万円程が続いていましたが、3年度は5万円と、かなり抑えることができました。
特別給付金などで医療費増加
次に支出を見てみます。
大きく増加したのが医療費(扶助費)で、2年度の124万円から3年度は156万円となりました。
これは、子育て世帯や非課税世帯への特別給付金などによるものです。
一方、減少したのは家の増改築の費用(普通建設、災害復旧事業費)で、2年度153万円から、3年度112万円となっています。これは、南平団地などの大型建設事業が終了したためです。
子どもへの仕送り(繰出金)は、以前として高い水準で、また徐々に増加している傾向にあります。これは、町立病院、西臼杵広域消防などへの繰出金です。今後も人件費の増加や、物価の高騰などにより、徐々に増加していく傾向は続くと思われます。
それでも、3年度は近年にしてはめずらしく経済的な余裕があった年で、貯金(積立金)について、2年度は8万円でしたが、3年度は43万円と、増額することができました。
貯金が大きく増加
最後に、貯金とローン残額を見てみます。
すでに説明した通り、防災行政無線の買い替えのためなどで、借金は増えたものの、それ以上に貯金が増えました。
ただ、以前の記事で説明した通り、今後は親からの仕送り(交付税など)が減少していくことが予想されているため、こうした状況は長くは続かないと思われます。
また、今年度(令和4年度)に発生した台風14号による被災箇所が多くなっていることから、今後は災害復旧のための支出も増加していくことは間違いありません。
引き続き、節約を心がけ、限りあるお金を最大限有効に活用する取り組みが求められます。
ママこそ財政に関心を
いかがでしょうか。
とっつきにくい町の財政についても、少しは身近に感じることができたでしょうか。
基本的には家庭の家計と自治体の会計は同じです。
ぜひ、常日頃、財布の紐を握っているママこそ、自分が住んでいるまちの財政に関心を持っていただければと思います。
では、今回はこれで失礼します。