板倉てつお 公式ブログ

財政圧迫必至 2022年台風14号からの復旧

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こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。

昨日(1月4日)は、議場で議会の仕事始め式がありました。
形式的な部分もあるのですが、こうした行事をすることで、2023年が本格的に始まった気分になります。

2023年も高千穂町の課題解決に向け、精力的に議員活動に取り組みたいと思いますので、皆様からのご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

さて、高千穂町の2022年を振り返り、今後の課題には何があるかといえば、まずは2022年の台風14号災害からの復旧だと思います。
(冒頭の画像は、議員で災害箇所の視察をした際のものです。)

今回の記事では、台風14号災害からの復旧について、まとめたいと思います。

被害が甚大だった2022年台風14号

令和4年12月の議会で、台風14号の被害について、被害額および災害復旧事業への申請額の合計が53億円以上になることが報告されました。

災害復旧事業の財源の大部分は国が負担しますが、町の負担もあります。また国の災害復旧事業の対象外となる小規模な災害箇所では、町単独で復旧に取り組むこともあります。

これら復旧の事業費が町財政を圧迫することは避けられません。

温暖化による気候変動により災害の激甚化が懸念されています。災害に備えるためにも、今以上の財政改革が求められます。

台風14号の主な被害状況まとめ

令和4年12月の議会にて、町長から、台風14号の被害状況について報告がありました。

報告内容をまとめると、次のようになります。

<公共土木施設(河川、道路など)>
被害調査:577ヵ所    
災害復旧事業申請:河川55ヵ所、道路63ヵ所
申請額:約12億3000万円

<農地農業用施設(農地、農道、水路など)>
被害調査:約980ヵ所   
災害復旧事業申請:約300ヵ所
申請額(災害復旧):約35億9100万円
自力復旧事業申請:約250ヵ所

<農業関係>
●水稲
被害面積:298ha
被害額:8933万円

●野菜(トマトなど)
被害面積:13.7ha
被害額:6249万円

●果樹(栗など)
被害面積:3.9ha
被害額:117万円

●工芸作物(茶など)
被害面積:0.3ha
被害額:128万円

●家畜
被害頭数:肉用成牛3頭、子牛2頭
被害額:434万円

●施設
被害内容:茶工場1棟、畜舎3棟、
     ビニールハウス171棟
被害額:3122万円

●農業関係被害総額:1億8985万円

<林業関係>
●林道施設(林道など)
被害調査:139ヵ所   
災害復旧事業申請:22ヵ所
申請額:1億5810万円

●その他の被害
作業道19路線、ほだ場3ヵ所、山林崩壊1.85ha

●林業関係被害総額:約2億8720万円

※この他に、家屋や水道施設などの被害もあります。また、大きく報道された高千穂峡遊歩道の復旧については、宮崎県が対応しています。

災害復旧事業とは

上記の被害状況を見て、そもそも、災害復旧事業とは何だと思われた方もいると思います。

災害復旧事業とは、広義に言えば、災害により壊れた道路や農地などを、元の状態に戻すための事業です。

ただ、元の状態に戻すのにもお金がかかります。大規模な災害になればなるほどお金がかかるため、小規模自治体の場合、とても単独では負担できません。

実際には、大規模な災害になればなるほど、災害復旧事業に必要なお金の多くを、国が負担してくれます。

そのため、災害復旧事業といえば、狭義には、国がお金を負担してくれる事業のことを指すことが多いです。

ですので、例えば、農地農業用施設の場合、被害としては約980ヵ所あったわけですが、そのうち国の災害復旧事業で対応するものが約300ヵ所で、町の自力復旧事業で対応するものが約250ヵ所というわけです。

それ以外の箇所については、災害はあったものの、補助対象外のものや、お金をかけずに復旧するというもの、もう復旧しないというものなどということになります。

<参考>
農地・農業用施設で災害が発生したら(高千穂町ホームぺージ)

災害復旧のために大幅に予算増

災害復旧事業については、大部分を国が負担してくれるとはいえ、事業の主体は町になります。

そのため、令和4年の12月議会では、大幅な予算増がありました。

詳しく説明すると、12月議会で、町が専決処分(緊急な場合などに、行政運営の遅れや滞りを防ぐため、町長が議会の議決に代わり意思決定すること)した補正7号を承認、補正8号を可決しています。

これにより、高千穂町の一般会計は、17億4830万円を追加し、総額110億932万円となりました。

歳出の主なものは、もちろん、災害復旧費10億8685万円(補正7号で1億1625万円、補正8号で9億7060万円)です。

上記の通り、災害復旧費については、大部分を国が負担してくれますが、どの程度の割合を負担してくれるのかが決まるには時間がかかります。

そのため、迅速に災害復旧事業を進めるには、町が最大限に負担することを想定した予算編成をする必要があります。

今回の補正7号、補正8号では、財政調整基金(町の貯金)から5億7572万円を繰り入れ、歳入としています。

今後、国の負担割合が確定し、町が負担するべき費用について災害復旧事業債(町の借金だが、元利償還金の95%を国が交付税で措置してくれる)を活用できる額が確定すれば、実際の財政調整基金の繰り入れ額を減らすことができます。

とはいえ、町の負担がないわけではなく、改めて備えとしての財政調整基金の重要性が高いことが示されました。

財政調整基金について質疑

財政調整基金についての町長の考えを確認するため、町長に質疑をしました。

Q. 財政調整基金について過去に質疑した際に、町長の答弁として、災害時の備え等もあるので、最低でも10億円ぐらいは確保しておきたいという答弁をされたことがある。
 ただ、今回の補正予算を見ると、災害の備えとして10億円では足らないと感じた。
 今回のような災害に備えるためには、最低でも20億円ぐらいが必要ではないか。

A. 確かにそれぐらいあれば、本当に安心であるため、今後も健全な財政運営を行いながら、基金に少しでも積んで、災害などに備えられるように、町として目指していきたい。

まとめ

2022年の台風14号で、高千穂町は大きな被害を受けました。

災害からの復旧には、巨額のお金が必要で、その多くは国が負担してくれます。
とはいえ、町の負担もあります。
こうした災害復旧が、町財政を圧迫することは避けられません。

さらに、今後は温暖化による気候変動により災害の激甚化が懸念されています。
災害に備えるためにも、今以上の財政改革が求められます。

議員として、町に対し、今以上の財政改革を求めていきたいと思います。

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