板倉てつお 公式ブログ

令和6年度当初予算の概要を解説します

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出典:議会だよりたかちほNo.122

こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。

3月議会は、3月19日で閉会しました。
主な議案は令和6年度の当初予算で、原案通り可決しました。

今回の記事では、令和6年度の当初予算の概要をお伝えしたいと思います。

令和6年度当初予算108億6000万円

令和6年度当初予算の総額は108億6000万円です。
前年度から10億6899万円増となっており、増額の要因としては、令和4年度台風14号、および令和5年度梅雨前線豪雨・台風6号災害の災害復旧費24億6781万円です。

災害復旧については、建設業界の人材不足や資材高騰などにより、復旧工事の入札をしても、受注業者が決まらないケースも多くなっているようです。

そのため、令和5年度に実施したかった復旧事業もできなかったものもあり、結果として、令和6年度予算の大きな増額の要因となりました。

歳出の概要

歳出の概要をまとめると、下記のようになります。

歳出合計 108億6000万円万円(構成比)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
議 会 費  9346万円(0.9%)
総 務 費  13億3019万円(12.2%)
民 生 費  22億2168万円(20.5%)
衛 生 費  8億6444万円(8.0%)
農林水産業費 11億8763万円(10.9%)
商 工 費  3億6393万円(3.4%)
土 木 費  7億2013万円(6.6%)
消 防 費  3億2983万円(3.0%)
教 育 費  5億6506万円(5.2%)
災害復旧費  24億6781万円(22.7%)
公 債 費  7億1082万円(6.5%)
予 備 費  497万円(0.0%)

≪用語説明≫
町税・・・・・・・・町民の皆さんから納められるお金
繰入金・寄付金・・・基金からの繰入金とふるさと納税などの寄付金
地方交付税・・・・・行政の格差をなくすため、国から交付されるお金
国・県支出金・・・・国、県からの補助金など
町債・・・・・・・・町が借り入れるお金
総務費・・・・・・・人件費、ケーブルテレビ、コンピューター運用管理など
民生費・・・・・・・高齢者・障がい者福祉や保育園、児童手当など
衛生費・・・・・・・西臼杵広域行政(病院、ごみ処理)負担金など
消防費・・・・・・・西臼杵広域行政(常備消防)負担金など
公債費・・・・・・・町債の返済に要するお金

大幅増の災害復旧費、土木費・農林水産業費が減

令和5年との比較で、最も増加しているのが、災害復旧費で、予算総額が大幅に増額している要因でもあります。
災害復旧費が増えているのは、令和5年度の当初予算では、令和4年度災害についての復旧費用だけでしたが、令和5年度にも災害が発生したため、令和6年度の当初予算には、令和4年度災害と令和5年度災害の2カ年分にわたる災害復旧の費用となっているからです。

土木費の減は、現在、三田井・岩戸地区で行われているまちづくり事業費の減が主要なものです。
(令和5年度は三田井地区の道路改良や岩戸地区のビューポイント整備がありました。)

農林水産業費の減は、林業振興費の減(令和5年度はしいたけ乾燥機導入があり)や、林業土木費の減(工事予定の減)が主要なものです。

厳しい歳入

これまで説明している通り、歳出は昨年度よりも増えています。
当然、それに見合った歳入があるわけですが、その内訳は、なかなか厳しい財政事情となっています。

主要な財源のひとつである町税は若干増加の見込みですが、地方交付税については、人口減少などにともない減少傾向にあります。
ふるさと納税の寄付金についても、なかなか増加が難しいのではないかという見込みです。

結局は、町の貯金である基金を取り崩すしかないのですが、5億円以上の基金を取り崩す内容となっています。

災害復旧について、国も負担してくれますが、やはり町の負担もありますので、災害復旧における町の負担は大きいと言えます。

まとめ

自治体の収入は、そう簡単には増えません。
一方で、支出は、大きな災害などがあれば、一気に増えます。

令和6年度に大きな災害が起きないことを祈るばかりです。

以上、令和6年度当初予算の歳出についての概要でした。
今回はこれで失礼します。

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