こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
今日は議会のことではなく、地域活性化について。
より具体的には、インバウンド観光振興についての内容です。
昨年末、隣町の五ケ瀬町にて、株式会社美ら地球の山田拓さんの講演会があり、お話を聞きに行ってきました。
その内容があまりに素晴らしかったので、多くの人と共有できればと思います。
まず、株式会社美ら地球がどんな事業をしているのかというと、岐阜県の飛騨古川を拠点に、主に外国人、とくに欧米系の旅行客にターゲットを絞ったサイクリングツアーをしています。
飛騨と聞くと、日本を代表する観光地のひとつ。
さぞウハウハ状態なんだろうな~と思いきや、そうでもないようです。
まず、観光地として有名なのが、高山市で、一般的には飛騨高山の名前で知られているところです。
高山市の観光の入込客数は年間で450万人。
すごい!!
一方の飛騨古川は、高山市に隣接しているにもかかわらず、飛騨高山ほどの知名度はなく、観光客の入込数は年間に58万人程度とのこと。
飛騨高山の1/8ですね。
ですが、移住者である山田拓さんの目には、飛騨古川にはいいものがたくさんあると気づいていました。
ただし、飛騨古川のよさは、飛騨高山のような派手な魅力ではなく、玄人向けの渋い魅力であり、この渋い魅力をわかってもらうには、ガイドの存在が不可欠だと感じました。
そして、自らガイドとなり、飛騨古川をサイクリングしながらガイドをするようになったのだそうです。
そのサイクリングツアーについてのホームページがコチラ。
おっと、日本の会社なのに、英語ですね。
さすが、ターゲットが外国人なだけあります。
英語なんてわかんないよという人のために、きちんと日本語のページも用意してくれています。
日本人向けのページがコチラ。
板倉が点在するそうな、、、(笑)
行ってみたい!
ここまででも、う~ん、とうなる内容なのですが、私がもっともうなったのが、ターゲットの絞り込みです。
先述のとおり、美ら地球では、欧米系の外国人にターゲットを絞っています。
その根拠をきちんとデータとして提示してくれました。
それがこれ。
ちょっと小さくて見にくいかもしれませんが、オーストラリア人は年間1,358ドル、ドイツ人は年間1,317ドルも観光に使っています。
一方、日本人は年間に225ドルしか観光に使っていません。
オーストラリア人の6分の1です。
そりゃこれを知っていたら、日本人より、中国人より、欧米系の人を相手にしますよね。
日本人を相手にしても、金払いは悪いし、人口は減少する一方だし、いいことありません。
ちなみにですが、サイクリングツアーのガイド料は3時間半のコースで7,600円/人。
2時間半のコースで4,900円/人です。
おそらく、国内の一般的なガイド料としては、割高の料金だと思います。
ですが、山田拓さんは単価にこだわります。
なぜなら、
「単価が高くないと、どれだけ多くの人がその観光地を訪れたとしても、その地域にお金が落ちることはなく、結果として、その地域は衰退していくしかない」
という不都合な真実と向き合っているからです。
例えば、世界遺産白川郷で有名な白川村。
人口が1500人ほどの小さな村ですが、年間の観光入込客数は年々増加しており、今や180万人をこえています。
ですが、白川村には、観光客はどんどん増えているのに、人口減少は止まっていないという不都合な真実があるのです。
その証拠がこのグラフ。
この画像の説明をすると、
右肩上がりの線グラフが、観光の入込客数です。
そして、縦の棒グラフが白川村の人口です。
うーん。なるほど。
山田拓さんいわく、観光客が増えているにもかかわらず、人口が減少している原因こそ、観光客の客単価にあるといいます。
そして、比較的高い単価でもよろこんでお金を払ってくれる人たちこそ、欧米系の旅行客というわけです。
高千穂町の現状はどうなのかと思い、同様のグラフをつくってみました。
高千穂町も同様で、観光の入込客数は増えていますが、人口は減少しているのがわかりますね。
高千穂町の観光も客単価が低いということになるのでしょう。
では、山田拓さんが取り組むサイクリングツアーに訪れる欧米系の旅行客は、どんな体験をして、よろこんでお金を払っているのでしょう?
それについては、後日、まとめたいと思います。
今日はこれで失礼します。