板倉てつお 公式ブログ

令和5年度 高千穂町の台所事情(決算について)

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こんにちは。
高千穂町議会銀の板倉哲男です。

先の9月の議会では、主に令和5年度の決算について、審議しました。
今回の記事では、令和5年度の決算の概要をまとめたいと思います。

令和5年度決算概要

自治体には複数の会計(お金の出し入れの記録)があります。

基本的な行政サービスを行うための会計である「一般会計」のほかに、国民健康保険や水道など、生活には欠かせない特定目的のための会計である「特別会計」や「企業会計」があります。

なぜ会計を分けるのかというと、水道や国保など事業によって、一般会計とは別にすることが法律で定められているからです。

議会では、ひとつひとつの会計について審議し、決算に問題がなければ、会計ごとに決算を「認定」します。

結論として、先の9月議会では、すべての会計を認定しました。

下の表に、それぞれの会計についての決算をまとめています。
決算を見れば、高千穂町の台所事情がわかります。
では、高千穂町の台所事情、令和5年度の決算について、見ていきましょう。

病院会計の赤字が気になるところですので、少し補足します。
ご承知のとおり、令和6年度から高千穂町国保病院は西臼杵医療センターとして、3町の病院が経営的に合併しました。

合併する際の3町の約束事として、土地については各町から西臼杵医療センターに無償貸与、建物・機材については無償譲渡するとなっていました。

一方、高千穂町国保病院の土地は、病院会計の中で取得したため、会計的には病院の土地となっていました。
合併するにあたり、病院の土地を町の土地とする必要があり、病院から町に無償譲渡するという会計処理をする必要がありました。
この処理のため、会計的に病院の資産は減少し、およそ5億6000万円ほどの特別損失がうまれ、最終的に6億2290万円の、大幅な赤字となりました。

数字だけを見ると驚きますが、5億6000万円の特別損失については、現金の流出がともなう損失ではありませんので、その点は安心していただければと思います。

ただ、特別損失を除いて考えても医業の本業でも赤字は赤字ですので、今年度以降の改善に期待したいところです。

審査における質疑と付帯意見

いろいろな会計がありますが、中でも最も時間をかけて審査するのが一般会計です。
そのため、決算だけを審査する特別委員会をつくり、3日間かけて行います。
その中で、議員側から執行側に様々な質疑をするのですが、その主なものについて、議会だよりに掲載しています。

<出典:議会だよりたかちほNo.124 以下、同様>

また、決算を議会として認定したのですが、その際、議会としての意見を付して認定しています。

つまり、議会として認定はするけど、これらの意見について今後の行政に反映させてね、ということです。

主な意見についても、議会だよりで掲載しています。

収支状況の詳細

一般会計について、もう少し詳細な収支状況を見てみたいと思います。

令和3年度は、実質単年度収支が8年ぶりに黒字となりました。
しかし、令和4年度については、再び、実質単年度収支が赤字となりました。
そして令和5年度については、2年連続で実質単年度収支が赤字となりました。

赤字となった理由はさまざまにありますが、その1つが、近年の物価高です。
物価高になれば、当然、人件費も上がります。
つまり、従来と同じことをしていても、従来以上に経費がかかっているということです。

なお、歳入、歳出の内訳については、広報高千穂2023年10月号もご覧ください。

最後に、高千穂町の基金(貯金)と町債(借金)の推移です。

町債(借金)の減少傾向は歓迎したいものですが、基金(貯金)の減少は本来は避けたいものです。
しかし、見てのとおり、前年度に比べて基金(貯金)が減少傾向になっている点が気になるところです。
引き続き、注視していく必要がありそうです。

以上、令和5年度の高千穂町の台所事情(決算について)でした。

今回はこれで失礼します。

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