板倉てつお 公式ブログ

まちの分断をまねくべからず 一般質問報告

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出典:議会だよりたかちほNo.124

こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。

令和6年9月議会では、人口減少対策、ジェンダーギャップ解消、町民と向き合う町政という3つの論点で一般質問をしました。

また、「町民と向き合う町政」の中で、高千穂中学校の移転について、質問をしました。

現在、町民の皆様にとって、最も関心が高いことの一つが、高千穂中学校の移転についてだと思いますので、今回の記事では、一般質問の中の中学校の移転について取り上げたいと思います。

高千穂中学校移転についての時系列まとめ

一般質問の内容の前に、これまでの流れを知っていただいた方がよいので、高千穂中学校移転についての時系列のまとめをしようと思います。

・平成26年
前町長時代に、高千穂中学校を高校敷地内に移転することはできないか、という話がでており、実際に、高千穂町と宮崎県教育委員会の間で、協議されたことがあるそうです。

その時の県の回答として「実現の可能性はゼロではないが、乗り越える課題は多い」「大前提として町内の中学校が1つに統合されないと難しい」という回答だったそうです。

この時点では、高千穂町内には、高千穂中学校、田原中学校、上野中学校の3校がありました。

・平成30年12月
この年に町長選挙がありました。
甲斐宗之候補の公約の一つが「高千穂中学校と高千穂高校の連携型中高一貫校」で、具体的には、高校敷地内に中学校を移転するというものです。
選挙結果は、ご承知のとおり甲斐宗之候補の当選でしたので、現町長の考えとしても、この時点では、高校敷地内に中学校を移転できないかという考えでした。

・令和3年3月
田原中学校が閉校しました。
同時期に上野中学校の閉校についても協議がされていましたが、上野中学校についてはこのタイミングでの閉校は見送られました。

・令和4年8月
高千穂中学校の老朽化が進み、これ以上は移転の検討を遅らせることはできないという、町長・教育長の判断で、高校敷地内への移転の検討をやめ、町単独での移転建て替えの方針を固めました。
このことについては、町議会にも報告がありました。

・令和5年6月
町単独での移転建て替えに向け、移転候補地についての意見聴取会を、町を代表する団体の方など、60名の方に集まっていただき、協議が行われました。
結果として、高千穂の湯跡地、運動公園敷地内、高千穂小学校隣接地、折原グラウンド、上野小中学校の5つの候補地があがりました。

・令和5年7月
上野中学校を令和6年度末、つまり令和7年3月で閉校することについて、地域住民や保護者の意見がまとまりました。
これにより、令和7年4月からは、高千穂中学校の1校に統合されることになりました。

・令和5年10月~令和6年2月
移転新築検討委員会を設置し、移転先を検討した結果、高千穂の湯跡地が最適であるとの結論にいたり、その旨が町長に報告されました。
移転先として高千穂の湯跡地が選定されたことは、新聞報道や町広報でも掲載されました。

議会報告会で賛否の声

移転先として高千穂の湯跡地が選定されたことについて、住民の皆様の受け止め方は様々でした。

7月から8月にかけて町内4カ所で開催した議会報告会でも、高千穂中学校移転について、さまざまに意見が出されました。

高千穂の湯への移転に否定的な意見としては、高千穂の湯跡地での整備となるとお金がかかるすぎること、高校の空き教室を活用した方が町の負担が少ないという意見がありました。

高千穂の湯への移転に肯定的な意見としては、高校も古い建物であるため、高校への移転となるとかわいそうなので、高千穂の湯跡地に新しい学校をつくるほうがよいという意見や、高校の敷地に移転すると、1つの敷地に2つの学校が存在することになり、グラウンドや体育館の使用について、都度、高校側と協議が必要になるなど、運営する上で支障があるのではないか、といった意見がありました。

一般質問で「まちの分断をさけ対話を」と提言

Q 高千穂中学校の移転先は、高千穂の湯跡地ということで決定したが、今でも高千穂中学校の移転先はどうなったのかといった声や、高千穂高校と一緒になるという件はどうなったのかという声を聞く。
高千穂中学校を高千穂の湯跡地に移転するという計画についての説明会を開催し、町民に対し町の考えを理解していただく必要があるのではないかと思う。
説明会を開催しては。
A なぜ温泉跡地が移転先に最適と決定されたかの経緯について、町民の皆様に御理解いただけるよう、広報に努めたい。

Q 高千穂高校の敷地内に中学校が入ることができないかという声が、今、大きくなりつつあると感じている。
私個人としては、高千穂の湯跡地への移転について賛成の立場だ。
しかし、もう決まったことだからといって、このまま進めることで町内が大きく分断されるのではないかということを懸念している。
まずは事業の推進よりも分断の回避に努めるべきではないかというのが私の考えだ。
広報に努めるとのことだが、それでは不十分で、今、必要なことは、町民と向き合い、建設的な議論をすることではないか。
A どのように理解を得られるかというところについて。対応を考えているところである。
もちろん、私も意見の相違によって分断が生じることは、あってはならないと考えている。
保護者への対応も大事だし、各地区でするのか、一斉にするのかなど、庁舎内で議論しているところでだが、意見を聴取し、手稲にに説明する機会を持つ必要はあると考えている。

Q 8月23日に開催された高千穂中学校建設検討委員会が開催され、会議録を見ると、教育長が「高校敷地への移転について強い要望があれば、意見交換の場を設けざるを得ない」と発言されている。
町の主要な団体から、高千穂の湯跡地への移転について反対の立場の意見書を出そうという動きがあると聞こえている。
そうした方との協議の場をもつべきと思うが、町長の考えは。 
A 中学校移転については、検討委員会の皆様の意見を尊重するということを大前提に考えている。
また、教育分野については、教育長をはじめ教育委員の皆様に委ねているところも大きい。
教育長の意向に従い、私も協議の場に参加させていただき、意見交換、説明をさせていただく。

Q 繰り返しになるが、私の一番の思いはまちの分断を避けることで、そのためには、建設的な話し合いをすることが重要だ。
建設的に話し合うためには、整備費のことなど、高千穂の湯跡地への移転と高校敷地内への移転のメリット、デメリットを、より明確にする必要がある。
そうした検討をすることで、半年なり1年遅れたとしても、仕方がないと思うが、町長の考えは。
A 建設費用や補助事業などについて、現在、精査中である。
今のところ高千穂の湯を前提に可能性を探っていくが、どうしても財源的に厳しい場合には、計画が伸びてでも少し考え直す選択肢も、ゼロではないと思っている。

要望 中学校の移転について、様々な方が、様々な考えをお持ちだが、全て、本町のことをおもっているからこそである。
お互いを尊重し、建設的に議論し、よりよい選択肢を協議していくことを望みます。

まとめ

この一般質問をしたのが、9月12日でしたが、その後の9月26日に、高千穂町観光協会、同商工会、高千穂地区建設業協会、NPO法人山参会の4団体が連名で、高千穂中学校の高校敷地内への移転の再検討を求める意見書を、町長と議長に提出されました。

高千穂町の中核をなす団体からの意見書ということで、重く受け止める必要があると思います。

一般質問で述べたように、お互いを尊重し、時間をかけてでも、建設的な議論をする必要があると思います。

今回はこれで失礼します。

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