以前のブログで、高千穂町の令和5年度の各会計の決算について、概要をまとめました。
自分が住むまちの財政状況について知ることは大切とはいうものの、「億」単位の数値が並んでおり、正直とっつきにくいものです。
しかし、まちの会計といっても、基本的には家計と同じです。
今回の記事では、会計の中でももっとも重要な「一般会計」について、数字を1/1000にして、家計に例えて解説したいと思います。
親からの仕送りの内訳が変わる
まずは収入を見てみます。
令和5年度の収入合計は1013万円ですが、そのうち717万円が「親からの仕送り」(国・県からもらうお金)です。
また、この表ではわからないのですが、「親からの仕送り」の金額は前年比増ですが、その内訳が変わっています。
「親からの仕送り」の内訳として大きなものに、地方交付税と国庫支出金があります。
ここでは簡単に、地方交付税は何にでも使えるお金。
国庫支出金は特定の目的(災害復旧など)のために使うお金、と理解してもらってよいです。
令和5年度は前年度に比べ、地方交付税は減少、国庫支出金は増加したのです。
地方交付税は基本的に人口に比例して交付されるものであり、人口減少により減少していきます。
一方、国庫支出金は災害復旧のために、国・県からもらえるお金があったために、増加しました。
増加したとはいえ、特定目的の財源となるため、町に入ってもすぐに出ていくことがきまっているお金です。
つまり、令和5年度は、「親からの仕送り」(国・県からもらうお金)は、本質的には減少していると言えます。
「親からの仕送り」の中の、何にでも使える地方交付税が減少したために、それを補うべく、「貯金の引き出し」や「銀行からの借り入れ」が前年度よりも増えています。
家計のやりくりに苦労している様子がわかりますね。
災害復旧の支出大
次に支出を見てみます。
支出は前年比減ですが、増えているものもあります。
特に、「家の増改築」が増えています。
これは、令和4年度の災害復旧工事によるものです。
災害復旧工事については、多くを国が負担してくれるとは言え、やはり町の負担もありますので、今後は大きな災害の発生がないことを祈るばかりです。
もうひとつ増えた項目が「医療費」ですが、これは国の政策により、非課税世帯などに給付金を給付したためです。
ただ、こちらは、町を経由するだけで、財源は国ですので、町の財政負担はないものになります。
貯金が減
財源不足を補うために、「貯金の引き出し」が増えていると言いました。
実際に、前年度に比べ、5年度末時点の貯金は減少しています。
もしもの時のために、やはり貯金は多い方が安心です。
引き続き、節約するところは節約して、貯金が減らないよう、取り組む必要があるといえます。
ママこそ財政に関心を
いかがでしょうか。
とっつきにくい町の財政についても、少しは身近に感じることができたでしょうか。
基本的には家庭の家計と自治体の会計は同じです。
ぜひ、常日頃、財布の紐を握っているママこそ、自分が住んでいるまちの財政に関心を持っていただければと思います。
では、今回はこれで失礼します。