板倉てつお 公式ブログ

高千穂町 令和7年度当初予算の概要を解説

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こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。

3月議会の内容をお伝えする議会だよりNo.126 が、先週に公民館を通じて配布されました。
今回は、表紙を少しリニューアルしたのですが、気づいていただけたでしょうか。

3月議会の主な議案は令和7年度当初予算で、原案通り可決しました。
今回の記事は、令和7年度の高千穂町当初予算について、ポイントをわかりやすく解説いたします。
この記事では、予算総額や増減の理由、注目すべき支出・歳入の内容、今後の町財政の課題などについて、町議会議員の視点からお伝えします。

高千穂町令和7年度当初予算は93億7400万円

高千穂町の令和7年度当初予算の総額は93億7400万円です。
前年度から14億8600万円の減額となっております。
減額の要因は、
・令和4年度台風14号災害
・令和5年度梅雨前線豪雨および台風6号災害
の災害復旧事業の多くが、発注済み、もしくは繰り越し事業となったためです。

「繰り越し」とは、年度内に支出の完了しない見込みのものを、翌年度に繰り越して使用できるようにすることで、具体的には、令和6年度の予算を活用し、令和7年度に実施するということです。

つまり、令和7年度の予算が減額しているとはいえ、令和6年度に終わらなかった事業に取り組むため、予算以上の事業量は多いということです。

国の補助を活用した災害復旧は、原則として、発災から3年以内に完了させることが求められるため、1日も早い復旧が求められます。

歳出の内訳

歳出の概要をまとめると、下記のようになります。

歳出合計 93億7400万円(構成比)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
議 会 費  9446万円(1.0%)
総 務 費  13億687万円(13.9%)
民 生 費  23億3911万円(25.0%)
衛 生 費  9億3394万円(10.0%)
農林水産業費 13億5510万円(14.5%)
商 工 費  3億1157万円(3.3%)
土 木 費  10億1001万円(10.8%)
消 防 費  3億3036万円(3.5%)
教 育 費  6億61万円(6.4%)
災害復旧費  4億3737万円(4.7%)
公 債 費  6億4985万円(6.9%)
予 備 費  470万円(0.1%)

≪用語説明≫
総務費・・・・・・・人件費、ケーブルテレビ、コンピューター運用管理など
民生費・・・・・・・高齢者・障がい者福祉や保育園、児童手当など
衛生費・・・・・・・西臼杵広域行政(病院、ごみ処理)負担金など
消防費・・・・・・・西臼杵広域行政(常備消防)負担金など
公債費・・・・・・・町債の返済に要するお金

土木費・農林水産業費が増、災害復旧費が減

令和6年度との比較で、最も増加しているのが、土木費です。
増加の要因は、
・松能橋田口野線の整備
・三田井地区まちづくり事業における旧商工会跡の広場の整備および城山通りの道路改良
・武道館のトイレや空調の改修(令和9年度開催予定の宮崎県国スポに向けた環境整備)
などです。

次に増加したのが、農林水産業費です。
増加の要因は、
・有害獣被害防止対策事業
・林道専用道整備(椿原線)
・がまだせ市場のウッドデッキ撤去工事(新規)
・有機農業推進事業(新規)
などです。

大きく減少したのが災害復旧費です。
これは、記事の冒頭で説明した通り、令和4年度・5年度の災害復旧事業の多くが、発注済み、もしくは繰り越し事業となったためです。

歳入の内訳

次に、歳入の概要をまとめます。

歳入合計 93億7400万円
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
町 税         10億7803万円
繰越金・寄付金・その他  9億5258万円
地方交付税・他交付金  44億4802万円
国・県支出金      21億8085万円
町 債          7億1451万円

≪用語説明≫
町税・・・・・・・・町民の皆さんから納められるお金
繰入金・寄付金・・・基金からの繰入金とふるさと納税などの寄付金
地方交付税・・・・・行政の格差をなくすため、国から交付されるお金
国・県支出金・・・・国、県からの補助金など
町債・・・・・・・・町が借り入れるお金

町の財政は大丈夫?町の借金が増加に転じる

主要な財源のひとつである町税は若干増加の見込みです。
ふるさと納税を主とした寄付金については、あくまで目標金額となりますが、なかなか増加が難しいのではないかという見込みです。

幸い、地方交付税については、人口減少により減少が予想されましたが、若干、増となりました。また、町の貯金である基金からの繰り入れ金についても、昨年度に比べて減少しています。

一方、気がかりなのは、町債の増加です。従来、歳出の公債費>歳入の町債、という方針で予算が組まれていました。
つまり、町の借金をどんどん減らしてきました。
しかし、令和7年度の予算は、歳出の公債費<歳入の町債、となっています。
つまり、令和7年度において、町の借金は増えるということです。
過疎債や辺地債など、借金の返済を国が相当分を負担するものではありますが、この傾向が続けば、要注意です。

まとめ:令和7年度予算に見る高千穂町の方向性

・令和7年度の当初予算は93億7400万円(前年度比マイナス)
・土木・農林費は増加、災害復旧費は減少
・町税・交付税は増加も、町債(借金)は増加傾向
・今後は「観光を活かしてどう稼ぐか」が問われる時代

高千穂町の財政の持続可能性を確保するためにも、今後も議会を通じて、透明性と効率性のある予算執行を見守ってまいります。

では、今回はこれで失礼します。

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