こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
昨日(3月31日)、人口減少と地方創生をテーマに、勉強会を開催しました。
具体的には、私が読んで参考になった書籍を数冊紹介させていただきました。
今日はそのうちの1冊を紹介したいと思います。
●未来の年表(河合雅司著・講談社現代新書)
著者は、少子高齢化は止まりようがないこを、まず認識しましょうというところから説かれています。
というのも、「少子高齢化、人口減少に歯止めをかける」と口にする政治家は多いですが、これは現実を見ていない典型例と言えます。
少子高齢化や人口減少が避けられないとすれば、それを前提として、どう対応していけばよいかが、今、問われているのです。
そして、現実的な選択肢とは、拡大路線でやってきた従来の成功体験と決別し、戦略的に縮むこと。
人口激減後を見据えたコンパクトで効率的な国への作り替えである、と説かれています。
さらに、国家の作り替えを成功に導くには、社会の変化を先取りし、人口減少の実態を正しく知る必要があります。
そのために、日本の未来図を時系列に沿って解き明かしたのが本書です。
こちらがその年表。
(未来の年表より)
たしかに、人口が減っていることで、様々な問題が起きるのであれば、「人口をどうすれば増やすことができるのか」を考えてしまいがちです。
そして、実際に人口を増やす方法があれば、人口を増やして即解決できるのでしょうが、それほど簡単なものではありません。
少子高齢化、人口減少は、もはや決して止めることのできない大きな流れなのです。
まずは、この不都合な真実を受け入れるところからはじめる必要があります。
さらに、高千穂町のような地方の場合、自然減(死亡数から出生数を減じた数)だけでなく、社会減(転出から転入を減じた数)もあります。
まさに、今の日本は少子高齢化、人口減少の先進地といえます。
こうした状況にいかに対応していくのか。
国も地方自治体も学者も政治家も、誰一人として、答えを持っていません。
誰かが解決してくれるだろうと、何もせずにいたら、いつまでたっても解決できないでしょう。
1人1人、自らの頭で考え、行動していくしかないと思います。
すこし話はそれますが、かつて日本は経済成長のお手本として、世界から注目されていました。
ですが、今の日本は、その分野についてはまったく注目されていないそうです。
一方、少子高齢化、人口減少については、世界の注目を集めています。
なぜなら、今後、中国やインドといった大国でさえ、少子高齢化、人口減少の時代に突入することが予想されているからです。
日本がうまく対応できれば、世界のお手本として称賛されるでしょう。
一方、うまく対応できなければ、反面教師として、歴史に名をのこすでしょう。
「未来の年表」は、少子高齢化や人口減少は課題ではなく前提条件であるということを気づかれせくれる一冊でした。