こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
先日、私が所属している総務産業常任委員会の行政視察で石川、富山へ行ってきました。
本来であれば、学んできた全てについて投稿していきたいのですが、まだまだ消化しきれていないのと、全てについて投稿しようとすると、私の執筆スピードではいつになるかわかりません、、、。
というわけで、主要なものについてまとめていきたいと思います。
今回は、富山県南砺市の「南砺で暮らしません課」が取り組んでいる人口減少対策の施策についてです。
南砺市とは
まず簡単に南砺市の説明から。
世界遺産の合掌造りのあるところ、というとわかるでしょうか?
南砺で暮らしません課とは
その南砺市の「南砺で暮らしません課」とは何かというと、自治体にある様々な「課」の一つです。
高千穂町にも、農林振興課とか企画観光課とかいろいろありますが、そうした「課」の一つに、「南砺で暮らしません課」という「課」があるのです。
こんな課の名前を見たら、なんだこれは?となりますよね。
なんでも市長がネーミングしたんだとか。
センスが光ります。
さて、南砺で暮らしません課の取り組みを簡単にまとめると、以下のようになります。
(1)婚活支援事業
(2)定住・空家対策事業
(3)協働のまちづくり事業
今回は、この中でもすさまじい成果を見せてくださった「婚活支援事業」についてまとめます。
婚活グループへの積極的な参加
婚活支援事業において、重要な役割を果たしているのが、
・婚活倶楽部なんと
・婚活応援団なんとおせっ会
という、2つのグループです。
婚活倶楽部なんとは、結婚を希望している独身男女が登録しているグループです。
登録後は、婚活セミナーや婚活イベントの案内が届いたり、お見合い検索システムを活用できるようになるそうです。
会員数は平成30年3月31日現在で男性271名、女性225名の496名もいるそうです。
対象となる20~54歳の南砺市の人口は平成27年の国勢調査のデータで、9548人。
つまり、結構な高確率で、加入していることがわかります。
一言付け加えておくと、加盟条件として、結婚後に南砺市で暮らす意向がある人としているだけで、南砺市以外の人でも加入でき、特に女性のについては市外の女性の登録者も多いとのことでした。
こうした独身男女の会をつくること自体は、多くの自治体が取り組んでいますし、宮崎県にも高千穂町にもあります。
ただ、ここまで多くの人が、そうした会に加入しているかというと、ここまで多くはないのではないかと思います。
(※あくまで個人的な予想です。間違ってたらすみません。)
やはり、こうした会に登録すること自体、ハードルが高い気がします。
婚活にはおせっかいが有効!?
南砺市の取り組みがすばらしいのは、「婚活倶楽部なんと」に、登録を促したり、登録後のお見合いのサポートをする「婚活応援団なんとおせっ会」という別のグループがあることです。
こちらの会員数は、平成30年3月31日現在で、男性39名、女性88名の合計127名となっています。
また、婚活イベントですが、行政が企画するだけでなく、農協や地域の団体が主催者となり企画がされ、主催団体に対して行政が資金的な助成をしているとのことで、本格的に取り組みだした平成23~29年度までで、56回の婚活イベントを実施しているとのことです。
1年平均8回もしていることになります。
これは、行政だけでなく、市民自ら企画しているからできる数だと思います。
そして、何より素晴らしいのが、その成果です。
平成23年度から平成30年4月2日までの間で、なんと137組ものカップルが成立し、そのうち、98組は実際に南砺市で暮らしているそうです。
ここまで成果をあげられた要因は、行政だけで婚活支援をするのではなく、「婚活応援団なんとおせっ会」を組織し、市民が積極的に参画しているからだと思いました。
より詳細を知りたいという方は、婚活倶楽部なんとのホームページをご覧ください。
成功の秘訣は「協働」にあり
よくよく話を聞くと、「南砺で暮らしません課」は、もともと、「市民協働課」といい、その名の通り、市民と協働するまちづくりを推進する部署だったそうです。
市民と協働するためには、役所にいてはいけない、とのことで、なんと、「南砺で暮らしません課」は、役所内ではなく、市内のショッピングセンター内に事務所を構えており、平日はもちろん、土日も職員は出勤しているそうです。
(年末年始のみ休みなのだそう。)
何事も、行政だけでしようとすると、限界があります。
そんな時、住民と協働できるかどうかが問われます。
宮崎県や高千穂町においても、こうした婚活支援の仕組みが
ないわけではありませんが、南砺市ほど住民と協働できているのかというと、疑問がのこります。
今回、学んできた婚活支援や、さらにそれを支える住民との協働について、高千穂町においても取り入れられるよう、行政に対し意見をしていきたいと思います。
今回はこれで失礼いたします。