こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
議会が終わったら毎回、議会報づくり。
昨日(6月28日)、議会報編集委員全員で、原稿を完成させることができました。
7月末には配布できますので、楽しみにしておいてください。
さて、今回の議会に提出された議案の中で、私にとって最も大きな議案は、養護老人ホームときわ園の運営を、これまでの町直営から、高千穂町社会福祉協議会に委託することについての議案でした。
なぜなら、私はこの議案に対して反対の立場で討論をしたからです。
もちろん、やみくもに反対できません。私なりにきちんと理解したうえで反対の意見を述べました。
結局、賛成多数で可決しましたが、私の意見も一理あると、一定の理解は得られているかなと思います。
皆様と共有できればと思いますので、段階的にまとめていきたいと思います。
まずは、行政の業務を民間に委託する民間委託について、整理したいと思います。
行政の民間委託について
政治にほぼ興味のなかった以前の私でも、かつての小泉内閣が、郵政民営化を声を大にしていたのを覚えています。
要は、それまで行政が行っていたサービスを民間でやってもらおうというのが、ここでいう行政の民間委託です。
狙いとしては、
・コスト削減
・サービスの質の向上
です。
業務委託と指定管理者制度
民間委託する方法は、複数あります。
大別すると、指定管理者制度と業務委託です。
「業務委託指定管理者制度違い」で、検索すると、いろいろ出てくるので参考にしていただければと思います。
決定的な違いは、「業務委託」は、自治体と委託先の間の契約であるため、議会の議決を必要としないのに対し、「指定管理者制度」は、自治体が委託先を「指定」するという行政処分であるため、議会の議決が必要になる、という点です。
ちなみに、今回のときわ園の民間委託については、「指定管理者制度」をとっています。
どのように指定管理者を選定するか
どのように指定管理者を選定するのかについて、自治体において条例で定められています。
高千穂町においては、
「高千穂町公の施設に係る指定管理者の指定手続等に関する条例」
にて、定められています。
第2条で
町長は、指定管理者に公の施設の管理を行わせようとするときは、(中略)、指定管理者になろうとする法人その他の団体(以下「団体」という。)を公募するものとする。
となっています。
一方で、第5条で
町長は、(中略)事業効果が相当程度期待できると思慮するときは、第2条の規定による公簿によらず、本町が出資している法人又は公共団体若しくは公共的団体(以下「出資団体等」という。)を指定管理者の候補者として選定することができる。
となっています。
今回のときわ園のケースでは、この条例の5条が適応され、公募されることはありませんでした。
つまり、「事業効果が相当程度期待できる」と、町長はじめ、執行部が判断したということになります。
赤字なのに事業効果が相当程度期待できるといえる?
ときわ園の運営を指定管理者制度で町社協に委託する議案に対して、私は反対の立場をとったのですが、私が論点としたのが、本当に「事業効果が相当程度期待できる」のかどうか、という点です。
執行部から説明されたときわ園の収支計画では、10月から来年3月までの間の事業収入の見込み額は4,842万円でした。
一方で、同じ期間にかかる人件費などの経費が、およそ、5,630万円とのことでした。
つまり、収入を支出が上回る赤字となり、その額が、786万2000円とのことで、この金額が、指定管理料の金額となるとの説明でした。
この赤字が、本当に致し方ない赤字なのかどうかが次の論点となります。
結論から言うと、私は想定されている赤字額をより小さくすることはできるし、やり方によっては黒字もできると考え、反対の立場をとりました。
このあたりの説明については、また改めてしたいと思いますので、今回はこれで失礼します。