こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
まず、今回の西日本の豪雨災害で被災された方に、お見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。
また、私個人としては、高千穂町議会議員として、高千穂町の防災体制を、より強固なものにするべく提言していきたいと思いました。
これら防災関係については、まとまり次第、ブログに投稿したいと思います。
議会で可決。旧高千穂法務庁舎耐震診断調査
さて、6月の議会で承認された追加の補正予算の大きなものとして、旧高千穂法務庁舎耐震診断調査の1,101万円というものがあります。
この件についてまとめようと思いますが、ここに至る経緯をまず説明する必要があります。
旧高千穂法務庁舎とは
旧高千穂法務庁舎は、元々は国の施設でした。
しかし、2003(平成15)年に統廃合となり、まさに箱だけが残った状態でした。
そして、立地的にも民間ではなく、公共施設としての利用のほうがふさわしいという国の思いやりもあり(?)、2016(平成28)年に、高千穂町が1,760万円という安い価格で購入しました。
当時の議会だよりをみると、町としては、図書館など、中央公民館の移転ということが視野にあったようです。
図書館としての利用は構造的に問題あり
ただ、図書館の移転の話はすぐになくなります。
というのも、法務局と、図書館とでは、求められる建物のつくりが全く異なるのです。
図書館は、誰もが気軽に入れるような開放的な建物が求められます。
一方、法務局は、その逆の閉鎖的な建物である必要があります。
そのため、図書館の移転は現実的ではないという結論に至ったそうです。
社会福祉協議会と商工会の移転案
その後、関係各課が集まり話し合った結果、社会福祉協議会と商工会が使うのがよいのではないか、となったそうです。
理由としては、社会福祉協議会は現在の場所(高千穂町老人福祉館)が手狭になっていたためです。
商工会については、現在の建物の老朽化が進んでいるためです。
またその頃、旧高千穂法務庁舎の合併浄化槽が老朽化していることもあり、下水へつなぐ整備などで、286万円をかけています。
状況が変わった社会福祉協議会
社会福祉協議会については、その後になって、今回の6月の議会で決まった、ときわ園を運営する指定管理者になるという話が進みました。
それにより、社会福祉協議会の職員の一部は、ときわ園へ行くことになるので、現在の場所で十分となり、移転の必要性はなくなりました。
耐震診断調査って、なぜ必要?
上記のような経緯をへて、補正予算が組まれた際に想定されていたのは、商工会の移転に伴う耐震診断調査についてでした。
もし、建物をそのままの形で利用するなら、今回の耐震診断調査は不要だったのですが、そのままの形で利用すると、不都合が生じることもあります。
そのため、壁を壊したり、壊さないまでも穴をあけたりと手を加える必要が出てくるのですが、そうなると建物の強度が変わってくるので、再度、耐震診断調査が必要になるとのことで、補正予算を組んだとのこと。
商工会の移転も未確定
商工会についても、旧法務局への移転が決定しているわけではないようで、6月の定例会では、移転しない可能性の方が大きいのではないかという、執行部側の発言がありました。
補正予算を組む3月頃から議会の6月までの間で、状況が変わったそうです。
変わったというか、耐震診断調査がここまでかかるとは思っていなかったことが大きいように感じました。
いずれにしても耐震診断調査は必要
今回、商工会が入らないとしても、旧法務局を有効に活用したいという考えを執行部がもっていることには間違いありません。
そして、活用するには、先ほど説明した通り、再度の耐震診断調査が必要になります。
計画や進め方の甘さについては、議員から指摘が出たものの、いざ活用する際には耐震診断調査が必要になることから、旧高千穂法務庁舎耐震診断調査の1,101万円の補正予算を議会として承認させていただきました。
求められる執行部の監視
以上、説明させていただきました通り、現在のところ、旧法務局の活用案は決まっておりません。
仮に商工会が移転したとしても、3階あるうちの1階のみにとどまります。
私も個人的に、こんな活用がいいのではないかと、一般質問で提言はしておりますが、それはまた別の機会にでも書きたいと思います。
旧法務局の活用については、特に議会の議決が必要なものではありません。
トップが右といえば、右と決まってしまいます。
だからといって、税金で購入した建物ですので、多くの町民にとって納得のいく活用方法である必要はあります。
議会の第一の役割は、町長をはじめとする執行部の監視です。
旧法務局の活用について、どうなるのか、監視を継続していきたいと思います。
今回はこれで失礼いたします。