こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
先日は政治家のボーナスについて書きました。
今日はその関連で、宮崎県における公務員と民間のボーナスの格差と、なぜ格差が生まれるのかについて、私になりに調べたことを書きたいと思います。
県内ボーナス 約4割が10~29万円
前回の私の投稿で引用したように、夕刊デイリーさんが12月10日の誌面の中で、政治家を含め、公務員にボーナスが支給されたと掲載していました。
そしてこちらは、その翌日、12月11日の同じく夕刊デイリーさんの記事。
内容は、宮崎県内の会社員、公務員を含めた給与所得者のボーナスを調査した結果、約4割が「10~29万円」というもの。
また、会社員と公務員で分けてみると、会社員で「50万以上」は2割に満たないものの、公務員は約6割になっているとのこと。
記事でも書いていますが、会社員と公務員で、ずいぶん格差がありますね。
「公務員はもらいすぎだ」という声が聞こえるのも不思議ではありません。
公務員の給与はどのように決まっているの?
ところで、公務員の給与がどのように決められているのかご存知でしょうか?
公務員は、通常の労働者であれば誰しもが普通に持つ、団結権、団体交渉権、団体行動権が厳しく制限されています。
民間企業であれば、ストライキをすることで、給与の引き上げを求めたりできるわけですが、公務員はできません。
その代わり、人事院という中立の機関があります。
人事院は、毎年、民間企業と公務員の給与を比較して、公務員の給与が民間企業よりも高ければ給与を下げるように勧告し、民間企業よりも低ければ給与を上げるように勧告します。
そうすることで、民間企業と公務員の給与を同等程度に保っています。
県内における格差はなぜおきる?
では、新聞記事にあるような民間と公務員との格差はなぜ生じるのでしょう?
それは、人事院が調査の対象としているのは、従業員が50名以上の企業に限るからです。
なぜ50名以上というような条件をつけるのかというと、公務員が勤める組織は概ね、50人以上の組織だからです。
どうも格差が生じる要因は、ここにあるようです。
大企業の方が賃金が高いという現実
今度は、厚生労働省が出している賃金構造基本統計調査を見てみます。
ここでは、常用労働者1,000人以上を「大企業」、100~999人を「中企業」、10~99人を「小企業」と定義しています。
年齢別賃金のグラフを見てみると、大企業のほうが賃金が高いことがわかります。
※平成29年賃金構造基本統計調査の概況より引用
宮崎には小企業が多く東京には大企業が多い
続いて、内閣府男女共同参画局が作成した従業者規模別常用雇用者数の割合から抜粋した表をつくりました。
これを見ると、宮崎県は100人以下の小企業に勤めている人が大半を占める一方、東京は1000人以上の大企業に勤めている人が大半を占めていることがわかります。
※内閣府男女共同参画局作成データより抜粋し作成
根本的な原因は東京への一極集中
こうしてみてきたわけですが、まとめると、次のようなことが言えそうです。
公務員の給与は民間と同程度に保たれている。
しかし、ここでいう民間とは公務員と同様の50人以上の規模の事業所である。
そして、賃金は大企業ほど高い傾向にある。
さらに、大企業は東京に集中している。
その結果、大企業の少ない宮崎県だけで見た場合、公務員と民間の給与に格差がみられる。
つまり、言いようによっては、公務員と民間に格差があると言うことができますし、また別の言いようによっては、格差がないともいえるということですね。
次の段階として、この東京への一極集中がいいのか悪いのかという議論になりますが、それはまた、別の機会に。
今回は、これで失礼します。