こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
本日、2018年12月23日は、宮崎県知事選挙、高千穂町長選挙、高千穂町議会議員補欠選挙の投票日です。
まずは、立候補された方や選挙スタッフの方、そして、選挙に関わられた全ての皆様、本当にお疲れ様でした。
選挙である以上、どうしても、当選と落選と分かれてしまいます。
しかし、志を持って選挙に臨まれた皆様の挑戦こそ、民主主義を発展させる唯一の方法だと思います。
選挙に臨まれた皆様に、改めて敬意を表したいと思います。
こどものとうひょう おとなのせんきょ
今日は、1冊の絵本を紹介したいと思います。
「こどものとうひょう おとなのせんきょ」という絵本で、だるまちゃんシリーズで有名な、かこさとしさん作の絵本です。
子どもたちが遊ぶ狭い広場があり、その使い方をみんなで決めていく物語を通し、民主主義とは何かを考えさせてくれる内容となっています。
1983年に初版発行の、とても古い絵本で、もちろん子供向けにつくられたものですが、現在の大人にとっても、非常に勉強になる内容です。
民主主義=多数決ではない
みなさんは、複数名がいるグループ内で意見が対立したとき、どのように解決しますか?
多数決できめることを、民主的で最善の解決法だと思い込んでいませんか?
物語の概要はこうです。
子どもたちが遊ぶ広場があります。
そして、子どもたちのなかには、やきゅうをしたい子もいれば、ドッジボールをしたい子、おにごっこをしたい子など、様々な子どもたちがいます。
広場の面積は狭いため、どれかひとつしかできません。
広場の使い方を投票により多数決で決めようとなり、その結果、多数派だったのが、やきゅう、でした。
しかし、その後も、多数派(やきゅう)と少数派(やきゅう以外)のトラブルが解決することはありませんでした。
トラブルを見かねた近所のお兄さんが、子どもたちが見落としている、民主主義の神髄について説明するのですが、このセリフが素晴らしいのです。
素晴らしいので、原文のまま、転記します。
「みんしゅしゅぎは、いい ことを みんなで きめるんだよな。
かずが おおいから、いいんじゃなくて、たとえ、ひとりでも いい かんがえなら、みんなで だいじにするのが、みんしゅしゅぎの いい ところだろ。
それを まちがえると、かずが おおい やつが、 かってに いばったり、わるい ことを しだすんだよな。」
実は、広場の使い方を投票した際、「つかいかたをきめるいいんをえらぶ」というものがあったのですが、無視されていました。
最終的には、この意見が採用され、広場の使い方を決める委員が組織され、どうしたら、やきゅうもできて、ドッジボールもできて、おにごっこもできるのかが話し合われるようになり、みんなが仲良く広場を使えるようになりました。
というお話です。
少数意見も排除せず、大切にする。
これぞ、本当の民主主義ですね。
少数派から学ぶことこそ、民主主義の神髄
選挙期間中、各候補者は、さまざまな主張を訴えたことと思います。
そのどれもが、その地域をよりよい地域にするための主張であることに、間違いないと思います。
選挙である以上、当選する側、落選する側がでることは仕方がありません。
しかし、忘れてはならないのは、民主主義における多数決とは、決定のための手段であり、少数派を無視したり、抑圧するためのものではないということです。
少数意見であっても、すぐれた意見を取り入れることこそ、民主主義に求められます。
今日の夜には、選挙の結果が確定しますが、当選された側には、ぜひ少数意見に耳を傾け、多くを学び、地域をよりよい地域にするために、生かしてほしいと思います。
では、今日はこれで失礼します。
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こどものとうひょう おとなのせんきょ(作:かこさとし)