板倉てつお 公式ブログ

長伐期林業の推進を 

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こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。

本日(4月24日)、公民館の文書発送日です。
3月議会の概要をまとめた議会だよりも発送となりますので、楽しみにしていただければと思います。

今回は、私が一般質問で質問した内容について、補足説明をしたいと思います。


※議会だより たかちほNo.102 より

 

83%が森林の高千穂町

まずは、高千穂町の森林の概要を簡単に説明します。

面  積:23,754ha
森林面積:19,687ha
人工林面積:8,078ha

つまり、高千穂町は面積の約84%が森林です。
宮崎県全体では76%、日本全体では68.5%ですので、国内でも森林に囲まれた自治体となります。

宮崎県は、こうした豊富な森林資源を背景に、スギの素材生産量が27年連続(平成29年度末現在)日本一となっていることは、ご存知の方も多いと思います。

<関連リンク>
宮崎県、27年連続日本一(夕刊デイリー2018年5月26日より)

 

再造林が課題

伐採後に再度、スギの苗などを植え、再び森を造ることを、再造林と言います。

現在の高千穂の課題は、伐採後に再造林されず、そのままにされている山が多くなっていることです。

どの程度、再造林がされていないのか。
役場の担当者の方が持っていた資料を見せていただくと、下記のような数字でした。
(再造林のうち、天然更新については、今回は除外しています)

 

<平成27年度伐採面積および平成28年度造林面積>
伐採面積:129.91ha
再造林面積:30.31ha

<平成28年度伐採面積および平成29年度造林面積>
伐採面積:156.09ha
再造林面積:27.61ha

 

つまり、130~150ha伐採して、30ha程しか再造林をしていないので、毎年100~120haが伐採後に何もされていないということです。

林業を行うのは人工林においてがほとんどだと思います。
高千穂町の人工林面積は8,078haですので、このままいくと、単純計算で80年したら、高千穂町から人工林が全てなくなってしまうことになります。

 

31年度からはじまる新しい森林管理

上記のような森林管理についての問題は、高千穂町だけの問題ではなく、全国的な課題となっています。

そうした問題を受けて31年度から始まるのが、森林経営管理法に基づく新しい森林管理です。

詳細は、過去の記事をご覧ください。
31年度からはじまる新しい森林管理について

 

再造林が進まないなら長伐期をめざすべき

新しい森林管理について簡単に説明すると、森林所有者が希望すれば、市町村に森林管理を委託することができるというものです。

高千穂町が森林管理の委託を受けた場合、高千穂町としては、どのような森林管理を目指すのかが問われることになります。

そして、今回、私が論点としたかったのは、
「再造林が進まな現状を考えると、現在主流の短伐期ではなく、長伐期を目指すべきではないか」
という点です。

その質問に対する町長の答えは、議会だよりにあるとおりで、
「所有者の意向を優先させる必要があるため、31年度から意向調査を実施する」
というものでした。

 

意向調査の前に、まずは啓発では

次に私が疑問に思ったのは、意向調査の前に、新しい森林管理ついての啓発や、先述したような再造林の課題について町民とともに考えたり、町内で長伐期に取り組む方の話を聞いたりするシンポジウムのような取り組みが先ではないか、ということです。

また、私が提案した長伐期の林業に自治体をあげて取り組み、成果を出している西粟倉村のような先進地の取り組みを学ぶことも必要だと思います。

ちなみに、今回の森林経営管理法の、自治体が森林管理を受託する制度は、西粟倉村の取り組みがベースとなっています。

<関連リンク>
百年の森林構想(西粟倉村のホームページ)

こうした私の考えに対して、町長も啓発の必要性を認め、まずは広報誌でお知らせすることを考えたいとのことでした。

また、シンポジウムのような取り組みについても、検討したいとのことでした。

今後に期待したいと思います。

 

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