板倉てつお 公式ブログ

森林環境譲与税基金への増額を解説

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こんにちは。
高千穂町議会銀の板倉哲男です。

前回の令和元年12月議会で、森林環境譲与税基金への積み立ての増額が議決しています。

議会だよりたかちほNo.105より(一部加工)

 

記事だけではわかりにくい部分もありますので、補足をしたいと思います。

 

基金の合計は672万3000円に

記事にあるとおり、令和元年度から森林環境譲与税という新たな財源がはいってくることになりました。
高千穂町の場合、およそ1600万円がはいってきます。

当初予算では、この森林環境譲与税の使途を以下のようにしていました。

・意向調査委託料 877万
・フォレストピア木造住宅奨励補助金 380万
・西臼杵林業振興協議会負担金 50万
・松くい虫防除委託料 30万
・森林環境譲与税基金積立金 262万

このうち、「フォレストピア木造住宅奨励補助金」と「松くい虫防除委託料」が森林環境譲与税の使途としてふさわしくないのではないかという指摘があったため、2つ合わせた410万円を森林環境譲与税基金に追加で積み立てることになったわけです。

フォレストピア木造住宅奨励補助金は、町産材などを利用して建設された木造住宅の固定資産税1/2(上限10万円)を5年間助成するという事業です。

<参考リンク>
フォレストピア木造住宅奨励補助金について

 

また、松くい虫防除については、被害の拡大を防ぐため、すでに被害をうけている木を伐倒するだけという事業です。

どちらも、森を育てるという、本来の森林整備という目的からずれているということだと思います。

その結果、当初予算の段階で積立予定だった262万に加え、410万円を基金に追加で積み立てることになり、森林環境譲与税基金の令和1年度の積立額は672万3000円になりました。

ちなみに、フォレストピア木造住宅奨励補助金、および、松くい虫防除委託料については、町の自主財源で実施されます。

 

自伐型林業の担い手育成を

私は森林環境譲与税を財源に、人材育成や長伐期の自伐型林業を推進するべきだという考えをもっています。

この件について、担当課長、町長に質疑をしました。

 

Q.1 森林環境譲与税を財源とした人材育成や普及啓発に取り組む考えは?
A.1 来年度、1年をかけて、担い手育成のための施策を西臼杵3町で検討したい。

Q.2 自伐型林業に取り組む人材の育成をする考えがあるのか
A.2 自伐が昔からの林業のやり方だったと思うが、今後も個人の林業家の育成も山を守るためには必要だと考えている。

前向きな答弁をいただきましたので、ぜひ、実現してほしいと思います。

 

森林環境譲与税が倍増 背景には土砂災害

森林環境譲与税ですが、令和2年度からは、なんと当初の予定の倍増されるそうです。


宮崎日日新聞(2019年12月28日)より

 

新聞記事にもあるとおり、森林整備が行き届いていないことが原因で、土砂災害が相次いでいることが背景にあるそうです。

森林には水源涵養や土砂災害防止など、公益的機能がありますが、皆伐すると、公益的機能はゼロになります。

ドイツのように、災害防止の観点から、皆伐を厳しく禁止している国もあります。

こうしたことから、公益的機能を維持しながら間伐収入を得る長伐期の自伐型林業が、より普及できればと思っています。

今ならまだ自伐型林業を実践している方もおられます。
そうした方の知識や技術を、ぜひ継承していきたいものです。

では、今日はこれで失礼します。

 

<関連記事>
長伐期林業の推進を

 

 

 

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