こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
地域のミツバチこと井上貴至さんがブログで次のような発言をされていました。
最新の都民経済計算年報(平成29年版)によると、2006年度から2017年度までの全国の成長率は3.5%だが、同じ期間の東京都の成長率は1.5%に過ぎない。同じ期間に、東京都の総生産の全国シェアは19.8%から19.4%に下落した。人口シェアが、同じ期間に9.9%から10.8%に増えているにもかかわらず、だ。
(引用元:日本の成長の足を引っ張る東京)
とても興味深い内容ですね。
ただ、私よりもはるかに頭脳明晰な井上貴至さんの発言とはいえ、ネットの情報を鵜呑みにするのは危険です。
ですので、自分で確認してみました。
「日本の成長の足をひっぱる東京」は本当だった
結論から言うと、井上貴至さんの発言は全く正しいものでした。
都民経済計算年報と、人口については総務省統計局の人口推計から2006年と2017年のデータを抜粋したのが下記です。
ちなみに、総生産には名目値と実質値があります。
それぞれ何かというと、
名目値とは、実際に市場で取り引きされている価格に基づいて推計された値。
実質値とは、ある年(参照年)からの物価の上昇・下落分を取り除いた値。
名目値では、インフレ・デフレによる物価変動の影響を受けるため、経済成長率を見るときは、これらの要因を取り除いた実質値で見ることが多い。
のだそうです。
人口増加のわりに経済成長は鈍化している東京
自分で調べてみて、より分かったこともありました。
2006年から2017年にかけて、日本の人口は0.8%減少していますが、名目GDPの成長率はは3.5%です。
一方、同期間の東京の人口は、なんと8.2%も増えていますが、名目GDPの成長率は1.5%にとどまっています。
人口増加は基本的には経済成長にとってプラスに働き、人口減少はその逆です。
そうしたことを考えると、もし東京の人口増減が日本全国平均と同じになれば、東京の経済成長は、もっと下がるのでは?という見方もできそうです。
う~ん、なんとなくですが、東京が、アスリートとしては完全にピークをすぎているけど、リング上ではなぜか強い中年のプロレスラーに見えてきました(笑)。
じゃあ、どこの都道府県が成長をけん引してるの?
次に疑問に思うのが、東京が日本の経済成長をけん引していないのであれば、じゃあ、どこの都道府県がけん引してるの?ってことです。
そこで、内閣府の県民経済計算(平成18年度 – 平成28年度)を見てみました。
下表が、2006年から2016年までの都道府県別の名目GDPを抜粋したものです。
ちなみに、一部、都民経済計算年報と数字が異なるものがありますが、これらはあくまで計算した値のため、計算方法によって値が異なることがあるそうです。
ま、気にしなくていいと思います。
成長率上位を見てみると、
1位 沖縄県
2位 宮城県
3位 群馬県
4位 宮崎県
5位 茨城県
となっています。
意外や意外。
私のいる宮崎が4位と検討しているではありませんか。
一方、日本を代表する都市はというと、
東京は25位
大阪は33位
愛知は23位
という感じ。
伸びしろのある地方
ここからは完全に私の所感です。
世界に目を向けると、先進国の経済成長率が低く、新興国は高い傾向があります。
なぜなら、先進国は成長しきっていて伸びしろが少なく、新興国はまだ成長の余地があり、伸びしろがあるからです。
これと同じ理屈で、日本国内においても、東京や大阪などは成長しきっている一方、沖縄や宮城、宮崎など、地方は伸びしろがあるということだと思います。
その伸びしろにチャレンジする人を増やすことができれば、地方のさらなる発展につなげることができると思います。
それを促す政策としては、移住促進、起業支援といったところでしょうか。
最後に、私は高千穂町もまだまだ伸びしろがあると思っています。
議員として、高千穂町の発展のため、移住促進、起業支援の一層の充実を訴えていきたいと思います。
では、今回はこれで失礼します。