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小水力発電施設整備に8818万円

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こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。

令和3年度の主要事業のひとつである小水力発電事業について、まとめたいと思います。

 


小水力発電施設設置予定地

 

小水力発電施設整備に8818万円

令和3年度の当初予算で、小水力発電施設を整備するための用地測量、詳細設計および、発電設備の製造の予算として、8818万円が計上されました。

小水力発電事業については、以前にもこのブログで取り上げた通りで、令和元年度から基本設計に取り組んでいました。

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小水力発電の調査設計に2,118万円

今後の予定として、令和4年度に発電施設の建屋建設や導水管の工事を行い、令和5年度から稼働を目指しています。


議会だよりたかちほNo110より

なぜ小水力発電に取り組むのか

なぜ小水力発電に取り組むのかについては、過去のブログにも、あまり書いていませんでしたので、簡単に説明しておきたいと思います。

議会だよりの記事にもあるとおり、目的は、土地改良区の運営基盤強化です。

土地改良区とは、農業用の水路などの施設を管理するための農業者により組織された団体です。

高千穂町が世界農業遺産に認定されるにあたり、町内にある総延長が200㎞以上にもおよぶ山腹用水路が世界的に評価されました。

そうした水路を管理しているのが、土地改良区になります。

管理するには、修繕などお金がかかります。
一方、土地改良区の収入はというと、農業者が負担する組合員費が主なものです。

しかし、農業者の減少が続いているため、将来的に土地改良区を運営するための財源が不足するのではないかという懸念があります。

そこで、水路を活用した小水力発電に取り組み収益を上げ、土地改良区を運営するための財源にすることが目的です。

 

収益の見込みは

現在進められている小水力発電事業で、どれくらいの収益があがるのかが気になるところです。

令和元年度の基本設計から算出された見込みが以下となっています。

年間可能発電電力 400,043kwh
年間売電収入 1304万円
発電年経費 927万円
年平均収支 377万円

ちなみに、今年度の予算を含め、工事費に1億3600万円ほどがかかる見込みですが、この費用の償却についても、上記の発電年経費の中に入っており、20年で償却を終える予定です。

そのため、上記の収支の377万円は、純粋な収益の金額となります。

なお、21年目からは償却を終えるものの、固定価格買取制度も終わり売電価格が下がるため、年間収益が70万円になる見込みです。

 

災害時の電力供給も可能

もうひとつの副次的な目的として、災害時の電力供給もあげられます。

予定している発電量で、70軒分ほどの電力を賄うことができるそうです(1軒を5人家族として想定)。

大規模災害で停電が数日続いたとしても、小水力発電なら発電は可能です。

災害時でも使える電力が町内にあることは、大きなメリットがあると言えます。

 

整備は町単独の費用

高千穂町が取り組むさまざまな事業の中には、国や県の補助金を活用した事業が多くあります。

高千穂町に限らず地方の市町村は財政的に厳しいところが多いため、国や県の補助に頼らざるを得ない場合が多いのです。

小水力発電事業についても、これまでの調査や基本設計までは補助金を活用していました。

しかし、今年度からはじまる、詳細設計や実際の発電施設の整備については、高千穂町独自の費用での取り組みとなります。

このことについて、なぜ、国や県の補助を活用しないのかという質疑がありましたので紹介しておきたいと思います。


議会だよりたかちほNo110より

 

例えば、農林水産省の補助制度を活用すると、土地改良区で使用している機器、例えばポンプの維持管理や電気代に、売電収益を充てることができますが、それ以外には使用できないそうです。

また、余剰金が発生した場合は、国に返還する必要もあるそうです。

ですが、高千穂町としては、土地改良区の運営のための財源にしたり、余剰金が出た場合には、貯金のように積み立てていくことを考えています。

そのため、補助金を活用せず、町独自の費用での取り組みとしたということです。

 

では、今回はこれで失礼します。

 

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