こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
3月議会で、不登校といじめの対策について、一般質問をしました。
今回の記事では、その内容をまとめたいと思います。
論点のおさらい
まずは論点をおさらいしたいと思います。
今回の主な論点は、下記の3つです。
論点1 町独自で少人数学級に取り組んでは。
論点2 不登校の生徒にタブレットを活用しては。
論点3 町長部局も、第3者としていじめ対応をするべきでは
論点の詳細は、下記の記事をご参照ください。
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一般質問します 不登校・いじめについて
答弁1 その都度、町と相談し対応する
論点の1つめは、少人数学級です。
現在、国、宮崎県がそれぞれのレベルで少人数学級に取り組みつつあります。
例えば国は35人学級を進めており、令和4年度から小1から小3が35人学級に。
また、宮崎県が、小1・小2について30人学級を、中1について35人学級にという具合です。
私の考えは、これに加えて、町独自の予算で、全ての学年において、少人数学級を実現してはどうかというものです。
この件についてのやりとりを簡単にまとめます。
Q.町独自の予算で、すべての学級において、少人数学級を実現してはどうか。
A.現在、町内の小中学校は、少人数が実現できている。例えば、高千穂中学校の2年生は79人で本来は2学級だが、校長の判断で3学級としている。
Q.現在は、たまたま、少人数学級が実現できているが、今後、例えば、高千穂中学校の1~3学年とも79人というような状況になれば、校長の判断だけでは難しいと思われる。町独自の予算で講師を採用するなどはできないか。
A.令和4年度、押方小学校において、複式学級を解消するために、講師を一人雇用する。経費として、年間600万円ほどがかかる。少人数学級についても、町の財政部局と相談しながら、その都度対応していく。
答弁2 まだ準備が整っていない
論点の2つめは、不登校の生徒に対して、タブレットを活用した支援ができないか、というものです。
現在、小中学生に対しては、1人1台のタブレット型パソコンがあります。
しかし、学校内での活用に限られており、不登校の生徒については、活用できていません。
1人1台のパソコンの取り扱いは自治体によりさまざまで、ところによっては、持ち帰りをみとめているところもあれば、不登校の生徒に対して、オンライン授業をしているところもあります。
私の考えは、パソコンの持ち帰りを認め、不登校の生徒に対して、オンラインの授業や、ホームルームをしてはどうか、というものです。
この件についてのやりとりを簡単にまとめます。
Q.タブレットの持ち帰りを認めてはどうか。
A.タブレットは学校の授業でもちいる学習道具のひとつで、持ち帰っても活用が限られたものになることから、認めていない。
Q.持ち帰らない方針は教育長によるものか。
A.校長会などとの協議の結果である。有害サイトやブルーライトの影響などに、どう対処するのかについて、まだ準備が整っていないという判断で、現在のところ、持ち帰りを認めていない。
Q.自治体によっては、不登校の生徒に対し、オンラインで授業をしているところもある。本町もできないか。
A.現段階では教師の負担などを考えると現実的には厳しい。しかし、今後は求められてくると考えている。
Q.不登校になると、生活リズムがくずれがちである。そこで、生活リズムを維持するためにも、毎日、決まった時間にオンラインでホームルームはできないか。
A.実際に行うのであれば、不登校の生徒のみを対象にしたホームルームが現実的だと思う。今回の意見をもとに、生活リズムを維持できるような対応も考えていきたい。
答弁3 いまのところ予定なし
3つめの論点は、一般行政によるいじめ対応です。
基本的に、一般行政と教育行政は、それぞれ独立しています。
そのため、いじめがあった場合、対応するのは教育行政の教育委員会や学校です。
しかし、全国の事例の中には、教育委員会や学校だけでは解決に至らなかった事例もあります。
そこで、現在、注目されているのが、大阪府寝屋川市の取り組みです。
寝屋川市は、市独自で条例を制定し、一般行政がいじめ解決に向けて動くことができる体制を整備しています。
私の考えは、本町も同様の条例を制定し、一般行政もいじめ対応ができる体制を整備するべきというものです。
この件についてのやりとりを簡単にまとめます。
Q.寝屋川市と同様の条例を制定し、一般行政もいじめ対応ができるようにしてはどうか。
A.条例の制定は今のところ予定していないが、行政、学校、教育委員会、地域住民が一体となって子どもたちを健やかに育てる環境づくりに努めていく。
Q.条例制定には1円も予算はかからない。なぜ制定しないのか。
A.本町のような狭いコミュニティにおいて、一般行政職が学校などに出向いて、表立って、いじめを調査するということは、本町にはそぐわないと感じている。
まとめ
今回の3つの論点を、財政的な負担の大きさで見ると、1つめの少人数学級については負担は大きいですが、それ以外のタブレットの活用や条例の制定は、財政的な負担はあまりありません。
しかし、答弁は、財政的な負担の大きい少人数学級については前向きな印象でしたが、財政的な負担の小さいタブレットの活用や条例の制定は、消極的な印象でした。
財政的に大きな負担となる提言であれば、実現が難しいのはわかりますが、財政的な負担の小さい提言について消極的な答弁だったので、個人的には、非常にがっかりした答弁でした。
しかし、私にできることは、あきらめることなく提言を続けることです。
今後も、機会あるたびに、今回の提言を続けていきたいと思います。
では、今回はこれで失礼します。