こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
以前、高千穂町の上水道事業において、料金改定を検討しているという旨の記事を書きました。
<前回の記事>
高千穂町上水道事業 赤字のピンチで料金改正を検討へ
今回の記事はその続報として、改定の時期と改定率について、町の方針が決まったということについて、まとめたいと思います。
令和6年1月に料金改定を予定
町は令和3年9月に上水道事業の基本計画である「高千穂町上水道事業ビジョン(経営戦略)」を策定しました。
このなかで、上水道事業の現状と課題についてまとめられています。
そして結論としては、今抱えている課題を解決し、上水道事業を将来にわたって持続可能な事業とするには、施設の更新や耐震化などが必要であるため、料金改定の必要があるというわけです。
上水道事業の課題とは
上水道事業の課題とは何かというと、大きく2つあります。
課題の1つ目は、水道施設の老朽化・耐震化に対応するため、これまで以上の施設整備費が必要になることです。
水道施設にも様々ありますが、例えば水道管の場合、法定耐用年数の40年を経過している割合は、高千穂町は約39%となっています。
全国平均は約20%ですので、いかに高千穂町の水道管が古くなっているかがわかります。
また、水道水を各地に届ける配水池は、城山配水池と金毘羅配水池の2つがありますが、昭和57年に増設されたのを最後に、その後手つかずとなっており、老朽化が進んでいます。
さらに、耐震化について見てみると、水道管の耐震化率は全国平均が13.5%であるのに対し、高千穂町は2.4%、配水池の耐震化率は、全国平均が42.6%であるのに対し、高千穂町は0%となっており、水道施設の耐震化については、非常に遅れています。
これら施設の更新や耐震化が求められます。
課題の2つ目は、人口減少による料金収入の減少です。
上水道の給水人口は、昭和63年の7648人をピークに減少し、令和5年現在は5696人となっています。
人口が減少すれば、当然、水の使用料も減るため、水道事業とすれば、料金収入は減少します。
そしてこの傾向は、今後も続くことは間違いありません。
改定率は20%~30%
以上のような課題を解決し、上水道事業を将来にわたって持続可能な事業とするには、更なる投資が必要になるというわけです。
令和5年度から24年度までの20年間で必要となる投資額は、約31億8000万円と算出されています。
こうした金額を捻出するためには、料金改定が必要不可欠だということになります。
現時点で、町の方針として決定しているのは、令和6年1月から、料金改定をするというものです。
正式に決定するのは、9月議会の予定です。
ただし、具体的にどの程度の料金改定になるのかについては、まだ確定はしておりません。
現在の想定としては、20%~30%となる見込みです。
また、令和6年以降についても、5年おきに見直し、必要があれば料金改定をしていく考えです。
議会の意見
こうした町の方針について、私を含めた議会の意見について、簡単に述べたいと思います。
私を含めた議会の意見としては「もっと早く料金改定をするべきだった」というものです。
現在の料金は平成10年の料金改定を最後に、約25年間、改定されていません。
また、老朽化や耐震化などの課題については、以前からわかっていたことです。
にもかかわらず、今までなぜ対応してこなかったのか、といった意見が多いです。
水道料金が上がることは個人的にうれしいものではありませんが、かといってこのまま問題を先送りにすることは、望みません。
町民の皆様も、ぜひご理解、ご協力をお願いいたします。
では、今回はこれで失礼いたします。