こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
今回は、12月議会で可決した補正予算のうち、物価高騰対策の事業についてまとめたいと思います。
国から町に物価高騰対策の交付金
2022年以降、物価高騰が続いています。国は「物価高から国民の生活を守る」ためのさまざまな経済政策を2023年11月に決めました。
その一環として、地方公共団体が地域の実情に応じて必要な事業を実施できるよう「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」が創設されました。
高千穂町の場合、国から町に交付される交付金が 、12月議会の時点で1億4194万円です。なお、今後、追加でこの2割ほどの金額の交付金が、町に入る見込みとなっています。
12月議会では、この交付金を活用した4つの物価高騰対策事業を含む補正予算が可決しました。
4つの物価高騰対策事業とは、低所得世帯7万円給付、商品券5000円分配付、学校給食費2カ月分援助、施設園芸燃料高騰対策支援で、4事業の総額は1億8599万円です。
物価高騰対策① 低所得世帯7万円給付
4つの事業のうち、低所得世帯7万円給付については、国の政策によるもので、低所得世帯へ1世帯あたり7万円を給付するのもです。
低所得世帯とは、具体的には、令和5年度住民税均等割非課税世帯と、非課税世帯ではないものの予期せず収入が減少し非課税世帯と同等となった、いわゆる家計急変世帯のことになります。
高千穂町では1650世帯を見込んでおり、事業費は1億1728万円です。
世帯の状況により申請の有無が異なりますので、注意が必要です。
家計急変世帯は自ら申請が必要
支給対象世帯と申請の有無については、基本的には次の3つのパターンに分かれます。
(1)令和5年度住民税均等割非課税世帯で、今年度、給付金(3万円)の支給を受けた世帯
→この場合、申請は不要です。町から「支給のお知らせ」が届きます。
(2)令和5年度住民税均等割非課税世帯で、今年度、給付金(3万円)の支給を受けていない世帯
→この場合、町から「確認書」が届きます。内容を確認後、必要事項を記入し、返送する必要があります。
(3)住民税均等割非課税世帯ではないが、予期せず収入が減少し、住民税均等割非課税世帯と同等となった家計急変世帯
→この場合、町から対象世帯への個別通知はありません。給付金を受け取るには、自ら申請する必要があります。2月末日までに申請する必要があるとのことですので、お気を付けください。
(詳細は、福祉保険課にお問い合わせください。電話73-1202)
なお、いずれの場合も、住民税均等割が課税されている者に扶養されている親族等のみからなる世帯は対象外です。
例えば、別居の子ども(課税者)に扶養されている高齢者夫婦の世帯などです。
物価高騰対策② 商品券5000円分配付
低所得世帯7万円給付以外の3事業は、高千穂町独自の取り組みになります。
町独自の3事業のうち、最も事業費の大きいものが、1人あたり5000円分の商品券を、全町民に配付する事業で、事業費は6064万円です。
物価高騰に苦しむ生活の支援となり、さらに、町内における消費喚起にもつながる、一石二鳥の取り組みということができます。
ただし、商品券の清算を年度ごとでする必要があるため、残り期間が少ない今年度の実施ではなく、来年度以降に実施されます。
物価高騰対策③ 学校給食費2カ月分援助
物価高騰の影響で、町内の小中学校の給食費がこの2年間で、200~500円程上がっています。
こうした状況をうけ、児童生徒の保護者の負担軽減を図るため、町内小中学校の児童生徒の学校給食費2カ月分に相当する金額を各世帯に援助するものです。
2月中に振り込みを実施する予定で、事業費は707万円です。
物価高騰対策④ 施設園芸燃料高騰対策
農業も、もちろん燃油高騰の影響を受けていますが、特に影響を受けているのが、スイートピー、ラナンキュラス、キンカンなどの施設園芸農家です。
農業用施設で使用されるA重油は、以前と比べ1リットルあたり20円ほど上がっているそうです。
こうした状況において施設園芸農家の負担軽減を図るため、値上がり分の半額相当にあたる1リットルあたり10円を補助するもので、事業費は100万円です。
各振興会がとりまとめ申請するため、各生産者からの申請は不要となっています。
ちなみに、昨年度も同様の事業を実施しているのですが、その際は44戸の生産者に支援したとのことで、今年度についても、同程度を想定しているとのことです。
7万円給付について質疑
今回の物価高騰対策事業のうち、低所得者への7万円給付について、質疑しました。
質疑と答弁のやりとりを、簡単にまとめます。
(※正式な会議録ではありません。発言内容をもとに、よりわかりやすい表現に変更し書かせていただいています。)
Q 国としては、令和5年中に給付を開始したいという意向もあるようだが、実際に給付事務を実施する市町村としては、令和5年中に給付するには、準備の時間が足りないという報道がある。本町の給付のスケジュールは。
A システム改修する必要があり、その後、1月頃より町で把握できる対象世帯に確認書を送付し、1月末から2月にかけて給付できればと考えている。
Q 住民税均等割非課税世帯については、町で対象者を把握できると思うが、家計急変世帯については、どのようになるのか。
A ホームページや公民館の回覧文書で広報誌、該当者本人より申請していただくことになります。
Q 今年度、9月頃にも今回と同様の3万円の給付があったが、その際は、家計急変世帯からの申請はあったのか。
A 仕事を解雇されたことなどにより、2件の家計急変世帯が申請され、3万円を給付した。
Q コロナ以降、国から降りてくる給付金などの事業が多い。職員の負担が増しているように思うが、通常業務と並行して国からおりてくる事業ができているのかどうか、現状は。
A 確かに1人の職員では残業など増えたりすることもあるため、周りの職員が応援をし、できるだけ残業などないように行っている。
要望 家計急変世帯については町から対象世帯への個別通知はなく、自ら申請する必要があるということの周知が重要である。近年、公民館非加入世帯も多いため、多様な方法で発信していただきたい。
また、職員の負担について、特定の職員の負担にならないように、対応していただきたい。
まとめ
政治の最大の目的は、住民の生命、財産、そして暮らしを守ることです。
その目的を果たすための政策として形となったものが、今回ご紹介した4つの物価高騰対策事業になります。
国の政策である低所得世帯への7万円給付について、繰り返しになりますが、予期せず収入が減少した家計急変世帯に該当される方は、2月末日までに、自ら町に申請する必要があるという点にご注意ください。
また、町独自の取り組みの、全町民に5000円分の商品券を配布する事業については、申請など必要なく町民の皆様のところの届きますが、時期が少し遅れ、来年度になってから、令和6年4月以降に配付されるということをご理解ください。
では、今回はこれで失礼します。