こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
今月末からいよいよ平成30年の第一回定例会がはじまろうとしているにもかかわらず、今更ですが、前回の議会で私が一般質問をした内容の詳細を、まだ投稿できていないので、まとめます。遅くてすみません!
前回の記事のまとめ
まず、前回の投稿のおさらいですが、私は前回の議会の一般質問で、「世界農業遺産、ユネスコエコパークの認定を生かした取り組みについて」3点、質問しました。
1つが、議会報にも掲載した「ブランド認証制度について」。
2つめが、「ファンドや基金を財源とした民間による地域活性化活動の助成について」。
3つめが、「案内看板について」です。
前回の投稿では1つめの「ブランド認証制度について」まとめたのでした。
前回の記事はコチラ
今回の記事の要旨
今回は、2つめの「ファンドや基金を財源とした民間による地域活性化活動の助成について」まとめたいと思います。
この件をすっごく簡単にまとめると、
世界農業遺産、ユネスコエコパークの認定を生かした民間の地域活性化の取り組みを、支援できないのか?
財源がないというなら、他の地域のように、ファンドや基金を設立し、これまでとは別の形で財源を確保できないのか?
というのが私の主張です。
他の地域の事例
「他の地域のように」とありますが、具体的にはどのような事例があるのか見ていきましょう。
平成23年に「能登の里山里海」として、国内初の世界農業遺産の認定を受けた石川県の「いしかわ里山創成ファンド」についてみてみましょう。
「いしかわ里山創成ファンド」とは、石川県と地元金融機関が出資し、「里山里海」の資源を活用した生業の創出をはじめとする、里山を元気にする民間の取り組みを支援するために創設されました。
その基金の総額はなんと53億円、、、。
運用益だけで、数千万円があるとのこと、、、。
お金って、あるとこにはあるんですね。
(出典:石川県ホームページ)
そして、その運用益を活用し、さまざまな民間の取り組みを助成するというわけですが、例えば平成29年度に助成の対象になったのがコチラです。
(出典:いしかわ里山振興ファンド事業採択者位置図)
別の事例として、平成25年に「阿蘇の草原の維持と持続的農業」として世界農業遺産に認定された熊本県の事例を見てみましょう。
こちらでは、「阿蘇の草原の維持と持続的な農業」への取組みを支援し、阿蘇地域を中心とする農業と地域の活性化を図るという趣旨に賛同した企業・団体及び個人からの寄付金を募った「阿蘇世界農業遺産基金」を設置しています。
(出典:世界農業遺産”阿蘇”オフィシャルサイト)
こちらでもやはり金融機関との連携があり、肥後銀行では「阿蘇グリーン定期預金」という商品をつくり、その利息の一部が「阿蘇世界農業遺産基金」に募金される仕組みとなっています。
(出典:肥後銀行ホームページ)
先行事例が素晴らしい点
これらの私がすばらしいなぁと思うのは2つあり
①世界農業遺産の認定を生かした地域活性化事業のための財源を、国や県からの補助金や、各自治体の負担金だけでなく、ファンドや基金という形で、独自の財源確保につとめていること
②行政主体のトップダウンによる地域活性化ではなく、民間企業やNPOなど、多様な主体によるボトムアップの自発的な活性化を促していること
です。
今後、私たちの社会は、働く世代の減少と、高齢者の増加というダブルパンチにますます悩まされることになります。
行政は今のサービスの維持が精いっぱいで、新たな取り組みをするだけのお金がないという場面が続出すると思います。
かといって、何もしなければ、地域の活力は失われる一方です。
活性化のために必要なお金を、これまでとは別の形で、しかも、誰も損をすることなく捻出する仕組みづくりが求められます。
石川県や熊本県のような先例があるわけですので、ぜひ、こうした取り組みに向けて動いてほしいと思うわけです。
町長の答弁のまとめ
こうした質問に対する町長の答弁をまとめると、以下のような内容になります。
ファンドを創設し、その運用益を確保することは、すでに検討したが、現在の低金利の状態では厳しいこともあり、県としては考えていない。
募金を募る基金については、検討していきたい。
今後、町民側から世界農業遺産やユネスコエコパークを活用した取り組みが出てくることが想定されるので、基金や(行政と)協同で事業を行うなど、積極的な支援を検討していきたい。
今後の注目ポイント
もちろん、世界農業遺産やユネスコエコパークに関する取り組みは、高千穂町単独で動けるものではありません。
他の自治体と足並みをそろえ、県を動かす必要があるかと思います。
検討するとの答弁をいただいた「基金」について、どこまで、町長はじめ執行部が、他の自治体や県に働きかけることができるのか、注目していきたいと思います。