板倉てつお 公式ブログ

セミナーレポート 人口減少時代における自治体のあり方

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こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。

昨日は、宮崎県総務部市町村課主催の、地方自治セミナーに参加しました。

演題は「人口減少時代における自治体のあり方」。
講師は、東京大学名誉教授の大森彌先生です。

自治や議会について、学ばせていただきましたので、講演内容と共に、関連する内容をまとめたいと思います。

 

自治体が消滅する!?

まずは、最近よく聞かれる「自治体の消滅」について。

こうしたことが言われるようになったのは、2014年5月に日本創生会議によって「2040年までに896の自治体が消滅する」と発表されたことがはじまりです。

日本創生会議とは民間の有識者による会議体で、さまざまな政策提言を行っている団体です。

896の自治体が実名で発表されたため、大きな波紋を呼びました。
高千穂町も消滅の可能性があると指摘されている自治体の一つです。
ちなみに、宮崎県の26市町村のうち、消滅の可能性がしてきされているのは、15もあります。

詳細のデータ(「20~39歳の女性」の将来推計人口)はコチラをご覧ください。

 

自治を放棄しない限り、自治体は消滅しない

一方、大森先生は政治学者の立場から、「人口減少によって、自治体が消滅することはない」という意見を述べられていました。

なぜなら、自治体は法人であり、その法人をなくすには、自治権を放棄するための法的手続きが必要であって、いくら人口が減少しようとも、自分達が自治を放棄しないかぎり、自治体が消滅することはないということです。

 

そもそも、自治とは

自治とは、自分達が暮らすまちのことを自らが決めることです。
国、都道府県、市町村、それぞれ独立した存在であって、かつ、対等な関係にあります。
どんなに人口の少ない自治体であっても、意識するしないに関わらず、自分達が暮らすまちのことを自らで決めているのです。

そして、自治の基本的な制度が、自治体の長には執行権を、議会には議決権を与えられた二元代表制です。二元代表制については、以前にもブログで書きました。

地方ならではの政治の仕組み これが二元代表制だ!!

 

議員のなり手不足

ただ、全国的に、人口減少が進行することは間違いありません。
また、昨今では、議員のなり手不足が社会問題としてとりあげられるようになりました。

昨日(5月22日)、高千穂町のお隣りである五ケ瀬町で、町議会議員の欠員補充のための補欠選挙の告示がありましたが、立候補者は現れませんでした。


(平成30年5月8日宮崎日日新聞より)

なり手不足の要因の一つとしてあげられるのが、議員報酬の低さです。
報酬が低いと、子育て世代が選挙に挑戦することが難しくなるからです。

 

宮崎県内の動きとして、注目したいのは、6月の新富町議会です。
新富町では、議員定数を14から10に削減し、その代わり、議員報酬を県内の町村議員としては最高額となる28万円とする改正案が提出されるようです。


(平成30年5月23日宮崎日日新聞より)

 

議員のなり手がいないと、自治の根幹となる議会が成り立たなくなります。
そうなる前に、手をうっておきたいという意志の表れです。

 

高知県大川村の件

一方で、昨年のことになりますが、自治の制度として議会ではなく、住民による総会をしてはどうかという議論がありました。

結論としては、総会は制度的にも運営的にも厳しく、議会を存続することで落ち着きました。

 

高知・大川村議会存続へ 「総会」実現にハードル

 

この件について、大森先生は、「自治の制度として住民が集まる総会は機能しないだろう」というお考えでした。

自治の仕組みとして、二元代表制に勝るものは今のところなく、結局は大川村も議会を存続するための取り組みを始めているようです。

また、大森先生は「大川村の件は、住民があらためて自治や議会の重要性に気づく大きなきっかけとなったという点で、非常に意義がある。今、住民はその重要性に気づき、自ら動き出している。だから大川村は大丈夫だ」とおっしゃっていました。

私も一議員として、自治や議会の重要性について、自ら学び、発信していきたいと思いました。

では、今日はこれで失礼します。

 

 

 

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