こんにちは。
高千穂町議会議員の板倉哲男です。
今日は、先月に視察に行った、延岡自伐型林業研究会の視察についてまとめたいと思います。
週末林業を視察
西臼杵郡森林林業活性化協議会のメンバーで、延岡市の祝子川で週末林業にとりくむ小野さんの山を視察させていただきました。
小野さんは親から継いだ森林が100ha程あるそうです。
想像できない広さですね。
ところで「週末林業?」と、首をひねる方もおられると思います。
まずはこちらの新聞記事をご覧ください。
自伐型林業とは
記事の中で、「自伐型林業」という言葉が出てきます。
自伐型林業の普及活動をしているNPO法人自伐型林業推進協会によると、「採算性と環境保全を高い次元で両立する持続的森林経営です。参入障壁が非常に低く、幅広い就労を実現します。」とあります。
普通の林業とどう違うの?
自伐型林業と、自伐ではない林業(現行林業)の違いは、自伐はその名のとおり、自ら木を伐採するのに対し、現行林業は伐採業者へ木の伐採を委託する、ということです。
また、自伐型は小型機械しかないため、1本ずつ間伐するのに対し、現行林業は大型機械による皆伐が一般的です。
自ら伐採するには道づくりが肝心
自ら伐採し木を搬出するには、作業道づくりが肝心になります。
小野さんは自らバックホーを操縦し、道を作っている最中なのだそうです。
こうした橋も自らつくったのだそう。
こうした道づくりも、委託したらお金がかかるのですが、山にある材料で自らつくることで、コストをかけないのが自伐型林業の考え方です。
なぜ自伐型林業が注目されるのか
現在、自伐型林業が全国的な広がりを見せています。
自伐型林業展開自治体・地域推進組織MAP
※自伐型林業推進協議会のホームページより
なぜ、自伐型林業が現在、注目されているのかというと、2019年4月から施行される、森林経営管理法による新しい森林管理の仕組みが始まる影響があります。
新しい森林管理についての詳細は、私の過去の記事を参照ください。
・来年度からはじまる新しい森林管理について
簡単に言うと、来年度から市町村が森林管理を委託を受けることができるようになります。
その際、どのような森林管理をめざすのか。
もちろん、地主の意向が最優先されますが、市町村として現行林業を目指すのか、あるいは、自伐型林業を目指すのか、当然問われることになります。
再造林が課題の現行林業と再造林が不要の自伐型
現行林業には、皆伐後の再造林がなかなか進まないなどの課題があります。
そのため、現行林業一辺倒の森林管理では持続的な森林管理が難しいのではとの声があります。
そこで、自伐型林業による皆伐しない森林管理も求められるわけです。
皆伐をしないので、再造林の必要がないからです。
伐採後のはげ山が多くみられる高千穂町ですが、今後どのような森林管理がふさわしいのか。
みなさんで話し合っていきましょう。
最後になりましたが、小野さんはじめ、延岡自伐型林業研究会の皆様、ありがとうございました。
では、今日はこれで失礼します。